早慶、MARCH、国立が上位も
企業ごとに特色が異なる

 23年のランキングでは、キリンは1位が早稲田大学、2位が京都大学、3位が東京大学と立教大学、5位が大阪大学と慶應義塾大学、7位が東北大学、筑波大学、九州大学、東京理科大学、法政大学、明治大学だった。

 総じて国立大学が多く、私立大学では早慶とMARCHがランキング上位に入っている。

 アサヒビールは、1位が早稲田大学、2位は九州大学、慶應義塾大学、同志社大学、関西学院大学が並び、6位は東京大学、青山学院大学、上智大学、中央大学、明治大学、立教大学が並んだ。

 国立、早慶が上位に来ているのはキリンと同じだが、その後に関関同立勢が追随している点が異なる。

 サントリーグループは、1位が慶應義塾大学、2位が早稲田大学で早慶が強さを見せた。また、神戸大学、大阪大学、東京大学、京都大学、名古屋大学、東北大学、筑波大学など国立大学が上位に来ており、次点で立教大学、青山学院大学、明治大学などのMARCH勢、同志社大学、関西学院大学の関関同立勢が続く。

 また、サントリーの本社が大阪市にあることから、大阪府立大学もランクインしている。

 サッポロビールは、1位が明治大学と同志社大学、3位が早稲田大学、4位は北海道大学、筑波大学、名古屋大学、慶應義塾大学、法政大学、立命館大学、関西大学が並んだ。早慶、国立大学を抑えて、MARCH、関関同立勢がトップに立った。

加速する海外展開と多角化
活躍の場を広げる「好奇心」

 ビール、飲料、たばこなどの企業はグローバルで再編してきた歴史がある。海外進出の時間短縮のため、外資系をM&Aで買収するケースだ。

 例えば、アサヒビールはイタリア、ベルギー、オーストラリアなどでビール会社を買収してきた。また、サントリーグループは88を超える国で販売網を広げ、売り上げに占める海外比率が約56%となっている。サッポロビールも中長期経営方針で、海外酒類事業の成長に向けたM&Aを推進すると表明している。

 海外展開が進むビール業界で働きたい人にとっては、挑戦する心が大事だ。海外のバイヤーなどに強い気概を持って立ち向かわないといけないからだ。

 また、多角化も進んでいる。例えばキリンは、医薬品や健康食品などのヘルスサイエンス事業に力を入れている。

 こうした分野のトレンドは移り変わりが激しいため、時代の流れを先読みするアンテナの高さも必要だ。新たな主力事業のカテゴリーを創出するくらいの好奇心が旺盛な人なら、活躍の場も増えるだろう。

*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。

【ランキング表の見方】
医科・歯科の単科大等を除く全国749大学に2023年春の就職状況を調査。567大学から得た回答を基にランキングを作成した。就職者数にグループ企業を含む場合がある。大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。東京大学は「東京大学新聞」、京都大学は「京都大学新聞」より集計。大阪公立大は統合前の大阪市立大と大阪府立大の実績を掲載した。企業名は大学通信の調査方法にのっとって表記しており、正式名称と異なる場合がある。(調査/大学通信)