イーロン・マスクは誤解されているだけだ。これが、マスク氏が先週フランスのカンヌに持っていったメッセージの本質だ。昨年11月、一部の広告主に「くたばれ」と発言した同氏は、広告主との関係修復に向けた取り組みの一環としてこうしたメッセージを打ち出した。マスク氏の支持者たちは、彼が自身のテスラ株保有比率の拡大なしに社内で人工知能(AI)事業に取り組むのは不安だと述べた後、ウォール街に同様のメッセージを伝えた。「単なる誤解だ」と。世界有数の大富豪で、世界最大級のソーシャルメディアを拡声器として持っているマスク氏だが、コミュニケーションを誤ることは多いようだ。マスク氏には後先を考えない発言で名声を築いた部分がある。彼の逆張りの賭けや型にはまらない言動を好む支持者にとっては、そうした発言で増幅される本物らしさが魅力的に映る。