ますます過熱する中学受験。子どもを本当に伸ばしてくれる志望校の見極め方や選び方、その志望校に合格するための効果的な「過去問対策」をやり方を、大人気プロ家庭教師の安浪京子先生が詳細に説明した『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』が発売に。本書より抜粋して、そのノウハウの一部をご紹介する。
合格できるかどうか、は偏差値だけでは分からない
「学力」や、本書に掲載している「校風マトリクス」、そして実際に学園祭や学校説明会に足を運んで理想の学校が見つかったとしても、合格できるかどうかはまた別物です。逆に、理想的な学校であればあるほど、ご縁をいただけなかった時のショックが大きくなります。
何が何でもこの学校に―というのは、強いモチベーションにはなりますが、自らを追い詰める方向にも作用しますので、「通わせてもよいと思える学校」を数多く持っておくことをおすすめします。
「子どもと過去問との相性」の方が偏差値より大事
さて、合格可能性判定で80%以上を取っていても不合格になる、あるいは偏差値的には全く届いていなかったのに逆転合格した、というケースは共に多々ありますが、その原因は何だかわかりますか?
前者に関しては、体調や精神状態など、思いつくことがそれなりにあると思います。しかし、後者は?
突然、神が降りてくるほど、受験は甘くありません。
塾では、模試の偏差値や判定を元にした受験校のアドバイスはしてくれますが、それ以上に外せないのが「子どもと過去問との相性」なのです。
ゆっくりじっくり問題を解くA君では、短時間に大量の問題をこなす処理型の入試問題を時間内に終わらせることができません。記述に強いBちゃんが、入試問題に一切記述のない学校に挑んでも、他の子に点差をつけることができません。
合否判定は、あくまで「塾の模試での点数」です。じっくり型のA君の偏差値が70だったとしても、偏差値66で処理型入試問題の「筑波大附属(東京都)」の合格は相当厳しくなります。記述に強いBちゃんが偏差値51の「共立女子(東京都)」の国語が惨憺たる点数でも、偏差値62の「鷗友学園(東京都)」の国語は合格者平均を上回る、ということがあるのです。
過去問との相性については本書の第4章で詳しく説明していますが、合格に限りなく近づけるためには「子どものタイプと過去問との相性」を無視することはできません。ぜひ、ここを見極めて合格の可能性を高めていきましょう。
*本記事は、『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』(安浪京子著・ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集して作成したものです。