「収入は遺伝でだいたい決まってしまうけど、人生を幸せにする方法はありますよ」
そう語るのは、『ABEMA PRIME』などに出演し、ネット上で有名なひろゆき氏。著書『1%の努力』『99%はバイアス』では、「どうすれば影響力を持てるのか?」「口のうまい人がトクする世の中で、どう生きるべきか?」などを語っているが、今回は「遺伝に左右されることなく人生を幸せにする方法」について聞いてみた。(構成/ダイヤモンド社・森遥香)

ひろゆきが語る「遺伝に負けない」幸せな人生を送るためのたった1つの戦略ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

収入は遺伝の影響を受ける

「自分の子どもには将来安定した収入を得て幸せになってほしい」と願う方も多いのではないでしょうか。

 しかし、悲しいことに、収入は遺伝の影響を受けることが最近の研究で明らかになってきてます。
 学生時代に一生懸命学力を上げたとしても、社会人になると、学力とは関係なく個人の資質能力で収入が決まります。そうすると、子どもの頃に頑張って勉強したかどうかは関係なくなってしまうんですよね。

 遺伝子配合の運もありますが、親からもらった遺伝子と環境と運で、子どもがお金持ちになれるかどうかがおおむね決まってしまうのは、どうなのかなって思います。

子どもが幸せな人生を送るための「たった1つの戦略」

「お金持ちになれるかどうか」ではなく「幸せになれるかどうか」で考えてみましょう。

 子どもが幸せな人生を送るためにできることは、親が共働きをしないことです。
 学力などの数値に換算できるものって、時間か金をかけると解決するんですよね。

 一方で、非認知能力と呼ばれる数値に換算できない能力は、5歳くらいまでにだいたい決まるんじゃないかと言われています。たとえば、「この人と一緒にいると楽しい」と思われたり、友達ができやすかったりする能力のことです。
 非認知能力は周りにいる人間の環境で作られていきます。子どもの頃に思うように親と過ごせなくて卑屈になってしまった人は、大成功しても結局その卑屈な部分は変わらないことがあるんです。

 逆に、幸せに育った子どもって大成功はしないんですよね。ハングリー精神もないし、努力をしなくても何とかなるので、普通に楽しく暮らせるんです。
 大成功しなくても、親と過ごして育つ方が本人としては幸せなんだろうなって思います。

 先ほど「親が共働きをしない」と述べましたが、実際は共働きのご家庭も多いですよね。子育てのために仕事をやめるのは現実的ではないという方もいらっしゃると思います。
 その場合は、出来るかぎり子どもと話す時間を作ってみてください。たくさん話して子どもの非認知能力を育てることで、子どもが幸せになれる可能性が高まりますよ。

努力よりも大切なこと

 実は、努力ができるかどうかも遺伝が関係しているっていう研究結果が出てきているんですよね。
 なので、子どもに努力させようとしても、たいていの場合は徒労に終わってしまいます。大切なのは、努力よりも「新しいことに挑戦することをひるまないようにする環境」を用意することです。

 子どもに何が向いているかはやってみないとわかんないので、いろんなことに挑戦した人の方が向いてることを見つけられる確率が高いんですよ。
 自身は得意と思っていなくても、周りからは「すごいじゃん」って言われることがあります。

 子どもの頃からさまざまなことに挑戦させて、得意を伸ばすことが大事だと思います。

(本稿は、1%の努力の著者・ひろゆき氏へのインタビューをもとに構成したものです。)

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。自身のYouTubeチャンネルの登録者数は160万人を突破。生配信の「切り抜き動画」が話題になり、ひと月の総再生回数は3億回を超えた。主な著書に、シリーズ50万部を突破した『1%の努力』『99%はバイアス』(ダイヤモンド社)がある。