米連邦準備制度理事会(FRB)による今年のストレステスト(健全性審査)では、銀行全般がより大きな打撃を受けた。ただ、その打撃は過去ほどには銀行を失速させないかもしれない。失業率の急上昇や商業用不動産価格の急落などの事態を想定したFRBの「深刻な景気悪化」シナリオでは、米大手銀行全体の普通株式等ティア1(CET1)比率の低下幅が最大で2.8ポイントとなり、前年の2.5ポイントから拡大した。マイケル・バーFRB副議長(金融規制担当)は発表文で、これは経済シナリオを厳格化した結果ではなく、クレジットカードローンの残高増加や延滞率上昇、さらに経費の増加といった銀行全般の変化によるものだと述べた。それでも今回の結果は「最近のストレステストの範囲内」に収まったとした。
米大手銀に重圧なし、ストレステスト厳格化でも
余剰資本で他のリスク相殺か
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