梅雨の低気圧で頭痛がつらい→漢方の専門家がオススメする「スーパーで買える食材」とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

梅雨や台風のシーズンが到来し、低気圧に苦しめられる季節が始まろうとしている。何とかして抗う方法はないものか。鍼灸師、国際中医専門員(国際中医師)の立場から、気象病に悩む人たちにアドバイスをしている漢方相談薬局「CoCo美漢方」(兵庫県神戸市)の田中友也さんに、つらい症状を回避するための過ごし方やオススメの漢方、スーパーでも買える“ある食材”を教えてもらった。(取材・文/ジャーナリスト 村田くみ)

「なんだか体調が悪い…」の正体

 雨の日や低気圧が近づくと頭痛や吐き気、眠気やだるさといった体調不良に見舞われてくる。特に晴れの日と雨の日の気温差も大きく、「気温や気圧の変化についていけない」という人も多い。

「寒暖差や季節の変わり目、台風が通過する前後、自律神経のバランスが乱れて体調を崩す人が増えます。東洋医学では、胃腸が弱く元気が出ない『脾気虚(ひききょ)』という体質の人は気象病が出やすいと考えられています」

「脾(ひ)は食べ物を消化吸収し、栄養と水分を全身に運ぶ役割がありますが、これから高温多湿になる時期は水分や冷たい飲食物を取りすぎるのと、外からも多湿の影響を受けるので、胃腸の調子が悪い人は体の中に水分を溜め込むようになります」

「その湿気による邪気のことを『湿邪(しつじゃ)』といい、雨の日は内と外からの『湿』の影響を受けるので、頭がしめつけられるように痛み、めまいや吐き気、重だるいといった症状が出てくるのです」

 そこに来て、台風が接近して急激に気圧が下がると「寝込むほど体調が悪くなる」という人が増えてくる。

「気圧は人の体に常にかかっている状態ですが、均衡を保つために体の内側から同じ力で圧を発するように調節を行っています。ところが、台風接近などで急激に気圧が下がるとこの調節がうまくいかず、自律神経の乱れのほか、血管が拡張して頭痛やめまいなどを起こすと考えられています」

漢方薬の選び方

「気象病の症状が出たら、体内の水分を循環させて、余分な水分を排出する『五苓散(ごれいさん)』が一般的にはよく使われています。水分を排出すると同時に、胃腸を元気にした方が良いので私の薬店では、胃腸の働きをよくしながら水はけを助ける『カッ香正気散(かっこうしょうきさん)』をお勧めすることもあります」