2024年5月末時点で日本銀行が
保有する長期国債残高
日本銀行は2024年7月の金融政策決定会合で、今後1~2年程度の国債買入れの具体的な減額計画を示す。6月の会合では月額6兆円程度の買入れを維持したが、今後は減額することで、5月末に593兆円だった日銀の国債保有残高を減少させていく見込みだ。これは金融緩和策が「金利」に加え「量」の面でも縮小することを意味する。
背景には円安を起点としたインフレ加速への警戒がある。円安が大幅に進む局面では、企業は価格転嫁に積極的になりやすい。こうした傾向を踏まえて試算すると、24年7~9月期にドル円レートが1ドル=165円まで減価すれば、コアCPIの上昇率は0.6%ポイント程度押し上げられる。