「eSIMってお得すぎ!」日本人が知らない海外通信サービス、驚異の進化ぶり【ツール・ド・フランス現地レポート】eSIMのアプリ上でどれだけデータを使ったかがわかる 提供:筆者

「eSIM」で海外の通信料が激変! かつて8万円もしたツール・ド・フランス取材の通信費が、なんと6000円に。30年の取材歴が証明する、驚異的な通信環境の進化とは。スマホ1台で、まるで日本にいるかのような快適さを実現。旅をもっと自由に、もっとスマートに。現地から使用感をレポートする。(取材・文/スポーツジャーナリスト  山口和幸)

【目次】
・第10ステージの振り返り
・大会の女性スタッフはパリで必ずスカートに着替える
・ツール取材歴30年で通信方法はどう変わったか?
・通信料は約8万円→6000円!? 海外eSIMの破壊的サービス内容

大会の女性スタッフは
パリで必ずスカートに着替える

 最終日の5日後にパリで五輪が開幕するという異例のツール・ド・フランスは、111回を数える大会で初めてパリに最終ゴールせず、五輪に花の都という舞台を譲った。ツール・ド・フランス大会11日目、第10ステージのスタートは今年の大会で最もパリに最接近。聖火リレーが大詰めを迎え、ツール・ド・フランスのコースと重複しつつも、この自転車レースは孤高の歴史を淡々と刻むのみだ。

 第10ステージのスタート地点であるオルレアンはパリの南130kmほどに位置する。選手たちはパリを背にしてサンタマンモンロンまでの187.3kmを走った。アルペシン・ドゥクーニンクのヤスパー・フィリプセン(ベルギー)が今大会初、大会通算7勝目を挙げた。総合成績では依然としてUAEチームエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)が首位を守り続ける。

 もう後ろは振り返らない。その先には中央山塊、ピレネー、アルプスがあって、最終到着地ニースがいつか見えてくる。いつもの大会なら道路のゆく手に「PARIS」の看板が見えると、期間中はカーゴパンツで過ごしていた大会運営の女性スタッフが必ずスカートに着替える。フランス人にとってパリはそれほど特別なものだった。そんなパリと決別した。

ツール取材歴30年
通信方法はどう変わったか?

 今回のツール・ド・フランス取材も第2週に突入し、ようやく超円安時代のコスト感が把握できるようになった。ユーロ建てで見る限りはフランスの物価がそれほど上がったとは感じない。ただし日本人にとっては為替相場によって全ての支出が昨年比1.3倍となる。

 日本より割安だなと思うのは高速道路利用料くらいだ。そして唯一、年々安くなってうれしいのがスマホのデータ通信料だ。

 海外旅行に限らず、スマホやパソコンを使う環境が1年ごとに進化している。もはや1年前のベストプランは通用しない。傾向としては安価で便利になり、利用しやすくなっている。ツール・ド・フランス取材を30年以上続けているボクは、通信に関して時代に即した最善の利用術を選択してきた。それを簡単に振りかえってみた。

 まずは基本的にスポーツ報道のありかたが30年で激変した。ツール・ド・フランスの現場に初めて足を運んだ1988年は、携帯電話が一般的でなく、日本とのやり取りは街中の公衆電話を利用するしかなかった。翌1989年から取材記者として携わることになるが、当時は現場入りしたらカメラマンは撮影に徹し、記者は取材した内容をメモ書きする手法だった。帰国後にポジフィルムを現像して写真をセレクトし、記者は手元のメモを見ながら原稿を書くという時代だった。