計9年間の浪人を経て早稲田大学に合格した経験を持つ筆者・濱井正吾(通称:9浪はまい)が、良くも悪くも浪人を重ねたからこそ分かる「塾・予備校の選び方」をお届けします。筆者は受験生時代に多くの予備校講師と接する中で、「学生アルバイト講師」の指導力が「正社員のプロ講師」を上回るケースを目の当たりにしました。なぜ、こうした現象が起こるのでしょうか。独自の見立てをお伝えしていきます。(教育ジャーナリスト 濱井正吾)
正社員のプロ講師が
バイト講師より優秀とは限らない!
私はかつて、家族の事情などで集中して勉強するのが難しい環境にいました。そこから仮面浪人を経験したり、社会人生活と並行して受験勉強を重ねたりする中で、難関大学合格への熱意が高まりました。そして9浪を経て、念願叶って早稲田大学に合格しました。
そんな私が人生で初めて塾・予備校に通い始めたのは、仕事をしながら夜に時間をとって勉強を始めた22歳のときでした。私の周囲に大学まで進む人がいなかった当時、私の世界や視野を広げてくれたのは塾・予備校の先生方でした。
しかし長く浪人を続け、さまざまな講師に教わる中で、授業の分かりやすさや生徒の成長度が、必ずしも「講師の経験年数や雇用形態によらない」ことに気づきました。正社員として長年働いているプロ講師ではなく、駆け出しの若手講師や大学生のアルバイト講師のほうが、生徒の学力を引き上げている場合があると気付いたのです。
そこで今回は、肩書だけでは分からない塾・予備校講師の「本質」を見抜くコツについて解説します。
・プロ講師の「手作りテキスト」に要注意のワケ
・「4浪」の末に某国立大学に合格した友人の話
・「バイト講師が多い塾=ダメな塾」とは限らない
・講師の勤務態度を見れば真の実力が分かる