二つのトラブルの詳細と共通点

 このトラブルは、どのようなやりとりから起こったのか。

 1件目のトラブルは、上海・浦東の店舗で起きた。女性客は店員がコーヒーを淹れるスピードが遅いことに不満を示し、「飛行機に乗らなければいけないから、急いでほしい」と何度も催促した。店員は「順番にやっているので、お客さんの分は次となります」と答え、「待たせてすみません」と謝った。それでも女性客は納得しない様子で、店員に「あなたの名前は?」と聞き、スマホを取り出して店員を撮影しはじめた。男性店員は「急ぐなら注文を取り消すこともできるから」と説明するが、女性客は「もういい!クレームをつけてやる!」と怒る。ついに、男性店員が爆発、カウンターから飛び出して、女性客を罵ると、2人は蹴ったり殴ったりの事態に発展。その後も女性客の「殴ってみろ!」という声が響いていた。

 2件目のトラブルも、同じ日に、上海市の中心部にある別の店舗で起きた。客と店員の間で激しい口論となり、女性客が「どういう口の利き方?苦情を通報してやる!」と言い出した。女性店員は感情を抑えきれなくなり、手に持っていたコーヒー粉をカウンター越しに女性客の顔に投げつけ、「苦情を言えば!」と金切り声を上げて、叫び続けた。また、「不公平だ!不公平だ!」と連呼していた。

 二つのトラブルには共通点がある。どちらも、客が「急げ」と急き立てたこと、そして客が「訴えてやる」と言った結果、店員が激高していることだ。