米株式市場は選別相場となっている。にもかかわらず、運用成績を伸ばすストックピッカー(銘柄選別者)が増えないのは、なぜだろうか。理論的には、最良の投資先を選び、最悪の投資先を避けようとするアクティブファンドは、銘柄によって対照的な動きが見られる時、そして勝ち組と負け組の差が大きい時に優れた成績を上げるはずだ。一部の指標によれば、現在はそのような市況だ。銘柄間の相関性を示す、シカゴ・オプション取引所(Cboe)の「インプライド相関指数」は、過去最低に近い。一方、個別銘柄のリターンが平均値からどれだけ散らばっているかを示す「分散」は異常に高い。銘柄間の相関性が通常よりはるかに小さく、勝ち組と負け組に通常以上の差があるのであれば、それはストックピッカーにとって理想的な状況のはずだ。