波が海岸に到達すると砕けるのは、波の底の部分は海底に引っ張られる一方で、波の頂点のエネルギーは重力で下に向かうまで前に進み続けるためだ。これはサーフィンの講座ではない。先週11日の米株式市場の話だ。砕けた波は「モメンタム(勢い)トレード」のことであり、こうした取引によって超大型株「マグニフィセント・セブン」やあらゆる人工知能(AI)関連銘柄は上値を追い続けてきた。市場の他の銘柄ははるかかなたに引き離された。投資家にとっては、波は岩にぶつかるのか、それとも岸から遠く離れた白い泡に過ぎないのかということが当面の問題となる。超大型株が主導する相場は終わったのだろうか。その答えを考察する前に、11日がどれほど大きな反転をもたらしたかを振り返ってみよう。今年当たり前だったことはどれも、そうではなくなった。