子育て世代のヤングファミリーからシニアまで、幅広いユーザーから高い支持を集めているホンダ「フリード」が、8年ぶりのフルモデルチェンジとなった。待望のハイブリッド車(HV)とガソリン仕様とを乗り比べて、新型の魅力を探った。(ジャーナリスト 桃田健史)
試乗中、さまざまなシチュエーションで
実感した「ちょうどよさ」
ホンダが6月29日から国内発売を始めた新型「フリード」の報道陣向け試乗会が、横浜で実施された。
フリードは、コンパクトなミニバンというイメージで、グローバル市場ではMPV(マルチ・パーパス・ビークル)に属するクルマだ。
グローバルといっても、新型の販売は香港とシンガポール向けだけで、生産するほとんどが日本向けとなる、「ほぼ日本市場専用車」といってよい。
そんな新型フリードの商品コンセプトは、「”スマイル” ジャスト ライト ムーバー」。開発責任者の安積悟氏によれば、先代モデルで商品訴求した「家族の毎日にちょうどいいホンダ」と基本的には同じことだ。
では、新型フリードは「どんなふうに、ちょうどいい」のか?
また、新型では「ちょうどいいが、どんなふうに進化」したのか?
そうした点にフォーカスしながら、三つのタイプに試乗してみた。
まず乗ったのは、「CROSSTAR スロープ」。
乗ったといっても運転はせず、3列目に固定された車椅子に乗った状態で、ホンダ社員が運転して市街地を走った。