イスラエルの特殊部隊がパレスチナ自治区ガザに潜入し、人質4人を救出した際に使用したのは、ボロボロの白いトラック2台だった。1台には石けんの広告が表示され、もう1台はルーフ部分にマットレスと家具を載せていた。部隊は武装していたが、主な武器は「変装」だった。銃を発射し始めるまで、イスラム組織ハマスの拠点にうまく紛れ込むためだ。6月初めの人質救出作戦は、ガザ地区の戦場に潜むイスラエルの有名な覆面部隊が最も注目される事例となった。かつて潜入工作がほぼ不可能と判断された地区を襲撃する危険な賭けだった。こうした目くらまし技術は、イスラエルの治安部隊がヨルダン川西岸地区で数十年にわたって磨き上げたもので、ヘブライ語で「ミスタアラビム」と呼ばれる潜入工作員がいる。アラブ文化を身に着けた人々を指すアラビア語に由来する呼称だ。
イスラエル「覆面」部隊、ガザの人質救出で脚光
6月の人質救出作戦が分岐点、ガザの新たな不安定要素にも
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