赤ちゃんは、あなたのことを好きだから、にこっとしたのではありません。赤ちゃんには(人間には)、ミラーニューロンという神経細胞があります。これは「見たものを真似る」という働きがある細胞です。あなたが「笑顔」になったから、赤ちゃんが「笑顔」を真似たのです。そもそも、あなたが赤ちゃんを「見た」から、赤ちゃんが「見る」のを真似たのです。

「見る」って、すごい力なんです。人は自分を「見てくれる」人を好きになります。何度も「見る」人を好きになります。自分を「好き」な人を好きになります。ミラーニューロンの働きです。

 この働きは、初めて会う人と人間関係をつくるときにも有効です。視線をまっすぐにして相手をしっかりと「見る」ことができる人は、何だか自信がありそう、信頼ができそうな印象を与えます。

 逆に、うつむいたり、目をそらしたり、きょろきょろして視点が定まらない人は、自信がないのかな、話をしてて落ち着かないな、と思われます。第一印象で損をしている人が、けっこういます。

「好かれる」というのは、相手に警戒心や不信感を持たれたりせず、この人といるのが心地よい、と感じてもらうことです。見た目ではなく、能力でもなく、スキルなのです。