カマラ・ハリス米副大統領は、パレスチナ自治区ガザの停戦実現を最も強く支持する米政権幹部だ。同氏が民主党の大統領候補に指名される見通しとなったことで、11月の本選で勝利した場合に米国の対イスラエル政策が転換する可能性が浮上している。ハリス氏はジョー・バイデン大統領の方針に反しないよう慎重に振る舞ってきたが、イスラエルとガザの紛争を巡っては、しばしば政権の見解を踏み越えることがある。ガザ住民の犠牲回避や人道危機への対応を、時に政権に先んじて強く求めてきた。「ガザの状況が劇的に改善しなければ、ハリス氏は別の方法でイスラエルに圧力をかけようとする姿勢を強めるだろう」。オバマ政権時代に北大西洋条約機構(NATO)大使を務め、バイデン氏側近との太いパイプを持つイボ・ダールダー氏はこう話す。