この連載は、『医師が教える 子どもの食事 50の基本』の著者で、赤坂ファミリークリニックの院長であり、東京大学医学部附属病院の小児科医でもある伊藤明子先生によるものです。テレビなど多数のメディアに出演されている信頼度の高い人気の医師です。
本書の読者からは、
「子を持つ親として、食事の大切さがよくわかった」
「何度も読み返したい本!」

といった声がたくさん届いています。不確かなネット情報ではなく、医学データと膨大な臨床経験によってわかった本当に子どもの体と脳によい食事。毎日の食卓にすぐに取り入れられるヒントが満載です。今回は丼物やうどん、ラーメンなどの一皿ものメニューについて解説します。
※食物アレルギーのある方は必ず医師に相談してください。

【小児科医が教える】「うどんを週に何度も食べる子、食べない子」。成長に出る違いとは?Photo: Adobe Stock

丼もの、一皿ものは、避けたほうがいい?

 丼ものや一皿ものは、ごはんの量、麺の量が多く、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などを含む「おかず」が少なくなりがちです。
 また丼ものやチャーハンを食べると、食後の血糖値が急激に上がる血糖値スパイクになることもわかっています。血糖値スパイクは血管を傷つけて、その後、血管の病気のもととなります[*70]。

 腕に分厚いコイン状のシールのようなものを装着する血糖測定記録装置があります。私自身がこのシールをつけてチャーハンを食べたところ、食事直後の血糖値がとても高くなり、非常に驚きました。

 一皿メニューは、ご飯・麺を気持ち少なめにして、具を多めにすることをおすすめします。また一皿だけでなく、簡単な副菜を追加できるとよいです。みそ汁やスープなどでOK。手の込んだメニューでなくても全然構いません。

ラーメン、うどんは肥満のもと

 ラーメン、うどんもよく食卓に並べるメニューだと思いますが、これも丼ものと同じで、たんぱく質などの「おかず」が少なくなりがちです。

 そのため、ラーメン、うどんの頻度が高いと糖質過多で栄養障害になり、小学生でも脂肪肝になったり、尿酸値が上がっていたりする子がたくさんいます。
 うどんはヘルシーなイメージがありますが、糖質の多い食材なので、注意が必要です。

 いまでは、高たんぱくうどん(1人前で約17gのたんぱく質含有)や、こんにゃくやえんどう豆の粉末を練りこんだ低糖質麺など、低糖質の麺類がたくさん販売されていますので、可能ならそれらを選びましょう。

栄養価の高いスーパーフードをプラスして

 丼物、ラーメン、うどんなどを食べる時は、ぜひおかずをプラスしてみてください。今回はすぐに作れて栄養満点のゴマ和えをご紹介します。すりゴマを使うのが一般的ですが、ねりゴマを使うことでより濃厚な味わいになりますよ。

◆ねりゴマでかんたんゴマ和え◆

材料(作りやすい量)
● もやし …… 1袋
● ねりゴマ(白でも黒でも金でもお好みで) …… 大さじ2
● きび砂糖 …… 小さじ1/2
● 醤油 …… 大さじ1

作り方
1

もやしを軽くゆでて、湯を切る。

2
ねりゴマにきび砂糖と醤油を入れて混ぜる。

3
1と2を和えて完成。

具のアイデア
 もやしのほかに、ほうれん草、小松菜などはもちろん、旬の野菜も取り入れたいですね。春から初夏なら菜の花、豆苗、アスパラガス、スナップエンドウなど。夏から秋にかけてはいんげん豆、オクラ、なすなど、冬場には春菊もおすすめです。ホタテやエビといった海鮮にも合います。

(本原稿は伊藤明子著『医師が教える 子どもの食事 50の基本から一部抜粋・編集したものです)

*70 Rask-Madsen C,et al. Vascular complications of diabetes: mechanisms of injury and protective factors. Cell Metab. 2013 Jan 8; 17(1):20-33.