「あの人なんであんなことを言ってきたんだろう」「この仕事、終わらなかったらどうしよう……」など、寝ようとするといろいろな考えが頭の中にわいてしまって眠れないことはないだろうか。そんな、早く眠りたいのに、グルグル思考が止まらない人におすすめなのが、『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』(大嶋信頼著)だ。多数の著作を持つ人気心理カウンセラーの大嶋信頼氏の本作では、心理学的なアプローチによって、働きすぎている意識をストップし、読むだけで眠くなるメソッドを多数紹介。「2ページ読んだだけで眠れた」「ストレスが消えた」「自己肯定感が高まった」などの感想が多数寄せられている本書。今回は本書から特別に一部抜粋、再編集して「眠くなる方法」を紹介する。(構成/照宮遼子 初出:2023年11月9日)

眠る前に嫌なことばかり思い出してしまう、驚きの理由とは?【書籍オンライン編集部セレクション】Photo: Adobe Stock

あえて不快な気分になっている!?

眠ろうと思っているのに、嫌なことばかり考えてしまうことはないだろうか?

実は、私たちが眠る前に嫌なことを思い出してしまうのは、あえて不快な気分になることで「眠りにつくための安心感」を得ようとしているのだ。

赤ちゃんは眠くなると泣いて、母親からやさしく抱きかかえてもらって眠りにつく。

私たち大人も、夜寝る前に嫌なことばかり考えてしまい、不快な気分になるのは、「誰かに守ってもらいたい!」と赤ちゃんへと退行してしまうから。

つまり、私たちは赤ちゃんになることで、母親に保護されるような「安心感」を求めているのだ。

ストレスを強く感じると眠くなる

赤ちゃんは、お腹がすいて血糖値が下がると、お母さんのおっぱいを求めて泣き出し、おっぱいを与えてもらうと血糖値が安定して、スヤスヤと眠りにつくことができる。

また、おっぱいがもらえないときは「泣き疲れる」ことで、眠りに入ることができる。

これは、泣くことで分泌される「ストレスホルモン」には、空腹で下がってしまった血糖値を上げる働きがあるためだ。

寝るときに嫌なことを考え続けてしまう人は、ストレスホルモンを出すことで、母親に甘えていたときのような安心感を得ようとしている可能性がある。

安心して眠るために「うまくいっていないネタ」を集めていた

大人になると「自分のことは自分で守らなければ」と思いがちだ。

一生懸命に考えて行動しても、うまくいかず不安になるのは、不快な気分でいっぱいになることで、ストレスホルモンを出して血糖値を安定させるためだった。

「何もかもうまくいかない」と嘆き悲しみ疲れると、赤ちゃんのときに体験した、お母さんのおっぱいをもらえたかのような安心感で眠りにつくことができる。

自分でも気づかないうちに、人間関係で孤立する状況をあえてつくって、それらがすべて安心して眠るためのネタになっていたというわけだ。