「あの人なんであんなことを言ってきたんだろう」「この仕事、ちゃんと締め切りまでに終わらなかったらどうしよう」。寝るときにグルグル思考が止まらなくなる人におすすめなのが、2023年6月28日に発売になった『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』(大嶋信頼著)だ。著者はベストセラーになった『「いつも誰かに振り回される」が一瞬で変わる方法』(すばる舎)など、多数の著作を持つ人気心理カウンセラーの大嶋信頼氏。最新作の『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』では、心理学的なアプローチによって、働きすぎている意識をストップし、読むだけで眠くなるメソッドを多数紹介。眠れるようになるだけでなく、ストレスを根本から消してくれる「不思議な催眠効果」がある1冊だ。「2ページ読んだだけで眠れた」「10ページ読んで、気づいたら朝だった」などの感想がすでに多数寄せられている。今回は発売を記念して、本書から特別に一部抜粋、再編集して紹介する。
眠る前の「気持ちがいいこと」探しゲーム
「寝る前にリラックスしていたほうが心地よく眠れる」というのは、精神科医もよく言うことです。
緊張しているときよりも、リラックスして副交感神経が優位になっているときのほうが眠りやすい。
スマホなどを寝る直前まで見ていると、交感神経が優位になってしまい、ちっとも眠れなくなってしまいます。
スマホを見ているときは、「癒される動画を見てリラックスして眠りたい」と思っているのに、メールやSNSのアプリが常にオンになっているから、「あの人から連絡が来たらどうしよう」などと気がつかないうちに緊張状態になってしまう。
緊張していると、交感神経が働いてしまい、リラックスして眠るのが難しくなります。
そこで、副交感神経を優位にするために、「気持ちがいい場面」を想像する睡眠導入法をやってみます。
安心できるような気持ちがいい場面を想像して、副交感神経を優位にしてリラックスして心地よい眠りにつく練習です。
・ペットのネコのお腹の匂いをかぐと幸せな気分になる
・満点の星空を眺めながら露天風呂に入ったときは、本当に気持ちがよかった
そんなふうに、気持ちのよかった場面や気持ちのいいことを想像してみます。
「気持ちがいいこと」ではなく「不快な場面」を思い出してしまうときは?
ただ、この練習に取り組んでも、気持ちがいい場面をまったく想像することができない方もいます。
「気持ちがいい場面」と思っているのに、不快な人のことが次から次へと浮かんできてしまう場合はどうすればいいのでしょうか?
「気持ちがいい場面」と思ったときに、怒りを引き出されるような相手が浮かんでくる場合は、「私は怒ること=気持ちがいい、となっているんだ」と気づいてあげます。
怒ることで脳から快感物質が出るから、「気持ちがいい」と認識しているのです。
「気持ちがいい場面」と思っているのに、「恥をかいた場面、失敗した場面が浮かぶ」という場合もあります。
これも同じように、苦痛で脳に快感物質が出て「気持ちがいい」と感じているだけなので、別におかしなことではありません。
そんなときは、「あ! 私は苦痛を気持ちいいと感じているんだ」と気づいてあげるだけ。
そこで「どうしてこんな不快なことを思い出してしまうんだろう?」と理由を考えてしまうと、交感神経が優位になってしまいます。
「苦痛を快感と思ってもいいんだ」と自分を許してあげると、「自分に責められなくてよかった」とリラックスできる。すると、副交感神経が優位になって眠くなってきます。
何も浮かんでこない場合は上級者
「気持ちがいい場面」と思ったときに、何も浮かんでこない場合は上級者です。
「何も感じない」が悟りの境地で「気持ちがいい」。
だから、「何も浮かんでこない」のが気持ちいい、で大正解なのです。
「なんで私は何も浮かんでこないの?」と考え始めると、意識がどんどん働いて交感神経が優位になってしまいます。
でも、「何も感じない『無』の状態が気持ちいい、でいいんだ」と思ってみると、安心して副交感神経が優位になってリラックスできます。
寝る前に「気持ちがいいこと」探しをする習慣を取り入れると、寝る時間に副交感神経が優位になるクセがつき、心地よく眠ることができるようになるのです。
(*本稿は『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』より一部抜粋、再編集したものです)