「早くやらなければ!」とわかってるのに、ついつい先延ばしにしがちな「実家片づけ」。「実家片づけ」をしないまま親が認知症になったり亡くなったりすると、「お金」「時間」「労力」という負担が子ども世代にのしかかってくるので、「実家片づけ」は”親が元気なうちに”取り組むことが大切です。とはいえ、ほとんどの親は、最初は片づけることに反対し、親子喧嘩に発展することもしばしばです。乗り気じゃない親を説得し、実家の膨大なモノや書類を片づけ、親が最期まで楽しく安全に暮らせる家にどう変えていくか……。親子だからこそ難しい「実家片づけ」のポイントを解説した、片づけアドバイザー石阪京子氏の最新刊『「介護」「看取り」「相続」の不安が消える! 実家片づけ』から、そのテクニックを抜粋・編集してお伝えします。

この兆候が現れていたら、要注意!「詐欺に遭いやすい親」の特徴とは?写真はイメージです Photo: Adobe Stock

「片づけ」が苦手になってきていないか…

年配の人が詐欺に遭うことは多いですが、中でも片づけが苦手な親御さんは要注意です。

例えば「瓦がずれているから直したほうがいいですよ」という業者が来て、本当は直す必要なんてないのに、言われるがまま高いお金を払わされたり、不用品回収の業者が来て、価値があるモノまで根こそぎ持っていかれたりするケースがよくあります。しかも、詐欺に遭っていることに本人は気づきません。「親切な人が来たわ」くらいの感覚です。

なぜ、片づけが苦手だと、詐欺に遭いやすいのでしょうか? 
これは私の推測ですが、片づけが苦手な人はお金もきちんと管理できていないから、そこにつけこまれているように感じます。

片づけが苦手な人は「思考停止状態」になっている

そういう方たちは思考停止状態にあります。要するに、考えるのが面倒くさい。

片づけは取捨選択の連続です。「これは私に必要?」「これはいつ誰が使うの?」と、一つひとつのモノと向き合って、要・不要を判断していく必要があります。
ところが、片づけが苦手な人は、日頃その訓練をしていないから思考が停止しがち。その結果、詐欺師に「〇〇したほうがいいですよ」と言われると、その通りにしてしまうのです。

特に高齢者の場合は脳が老化するので、より一層思考が停止しやすくなります。そして恐ろしいことに、詐欺に遭って困るのは、実は親ではなく子ども。結局、子どもが尻拭いする羽目になることが多いのです。

「実家片づけ」を親と一緒にやれば、親御さんもモノや紙の要・不要の判断を迫られることになります。思考停止状態から脱することができるでしょう。

*本記事は、石阪京子さんの最新刊『「介護」「看取り」「相続」の不安が消える 実家片づけ』から、抜粋・編集したものです。