まずは、英国の王立がん研究協会が発表した報告書*1から。この「Worldwide cancer incidence statistics」レポートによれば、「現在の傾向が続けば、2040年までの間にがん患者は年間12万2000人増加する」と予測している。だが、その見込みを下げる方法もあるとを示すレポートも見つけることができる。
それは、2017年11月に米国がん協会のレポート*2 だ。そこには、「米国における癌罹患の約42%、癌死亡の45%は、修正可能な危険因子と関連しており、予防可能である。この数字は、2014年のデータに基づくものである」と記されている。
また、新たな研究*3では、「たった4~5分の活発な運動によって、ある種のがんの発症リスクを低下させる可能性がある」という結果も導き出されているのだ。そこには、「定期的に短時間で激しく身体を動かす時間をつくっている人のリスクは、ほぼ3分の1に減少する」という統計結果が出たと報告されている。
時間に関しては「4~5分」と示され、さらに「連続して運動する必要もない」とも記されている研究論文もある。これは米国医師会が発行する月刊の査読付き医学雑誌『JAMA Oncology』誌に2023年7月に掲載されたもので、オーストラリアのシドニー大学が主導した大規模な研究*4だ。