torso of muscular male bodybuilder in industrial gymPhoto:Mike Harrington//Getty Images
*本記事はEsquireからの転載です。
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 脂肪を燃焼させ、代謝を高めるために組まれた1カ月のこのプランが、あなたの腹筋を一段と引き締めるでしょう。

 皆さんが「タイトルに“シックスパック”と入っているプログラムは、信用できない」と思っていても、それは仕方がないことでしょう。これまで、それらの中からひとつかふたつは実践してみたけど、現実問題、それはかなわなかった人ばかりかと思います。それはその方法論が、肝心ところまで語っていないか、あなたの努力が足りなかった…これに尽きると思います。

 トレーナーの仕事をしていると、「どうやったらバキバキの腹筋になれますか?」という質問ほど、多く寄せられるものもありません、特にこの季節には…。その答えは? まず言えることは、「どんなトレーニングプランよりも複雑だ」ということです。ズルズルの腹筋にさようならしたいなら、ずるいトレーニングでは難しいということです。

 実際、皆さんはすでに「腹筋」を持っています。それはリアルに、実用的な腹筋です。ただし私たちの多くが、「シックスパック」と呼んでいるものは「腹筋」自体ではなく、目に見える腹の表面のこと。例えばクランチを重ねれば、腹筋は強くなるかもしれません。が、それは見映えまでに及んでいないのです。腹筋の強さはその凹凸の明確さでわかるものですが、その起伏を第三者に認識してもらうためには腹筋を隠しているもの…つまり、そこにある皮下脂肪を取り除く必要があるのです。

腹筋にある男性Photo:Westend61//Getty Images

 フィットネス業界では、「Abs are built in the kitchen(腹筋はキッチンでつくられる)」というフレーズが語り継がれています。が、今となっては陳腐な表現かもしれません。

 とは言え、体脂肪を減らすことが第一の目的とするなら、「ジムでどれだけプレートを持ち上げられるか?」 よりも、キッチンにあるプレート…つまり、皿の上にのせるものに力を注ぐべきです。なので陳腐ではなく、今となってはより強力なフレーズです。

 そこで注意すべきは、「摂取カロリーを減らすことが、脂肪を落とす最短の方法」である一方で、「消費カロリーを増やすことが、それを維持する秘訣でもある」という研究結果があることです。

 それは科学者たちが「ハイエネルギーフラックス」(*1)と呼ぶもので、これは毎日の活動レベルを上げて代謝(*2)を高く保ち、そうしてエネルギー燃焼を高めることで、極端に食事を減らさなくてもカロリー不足を緩やかに維持できるようにするプロセスです。

 そんなわけで私たちの4週間プランは、皆さんの代謝を確実に燃え上がらせるためのものというわけです。筋肉を増強するスーパーセットと、カロリーを消費するキャリーや最大負荷のスプリントを組み合わせた40分のトレーニングは、筋力と筋肉を維持しながら脂肪を減らすよう構成されています。

 各セッションを順番に繰り返し、週に3~5回、レップ数を増やし、ウエイトを増やし、同時に日常の動きをアップさせることを目指しましょう。それでは本題に入ります。

*1:high energy flux そもそもは物理学で用いられる用語で、特定の領域を通過するエネルギーの流れの速度を示す用語で、エネルギーがどれだけ速く、どれだけ多く移動するかを計測するために使用される。
フィットネスや栄養学の分野では、「ハイエネルギーフラックス」はエネルギーの消費と摂取を高いレベルで維持する状態を指す。このアプローチによって体重管理がしやすくなり、筋肉を維持しながら体脂肪を減らすことができると考えられている。
*2:​metabolism 体内でエネルギーを生成し、栄養素を利用して生命活動を維持するための全ての化学反応のことです。また代謝には、大きく分けて2種類ある。
それは「基礎代謝(Basal Metabolic Rate, BMR)」と「活動代謝(Activity Metabolism)」。これらは共に身体のエネルギー消費に関与するが、「基礎代謝」は安静時に身体が生命維持のために消費するエネルギーであり、「活動代謝」は、日常の身体活動や運動によって消費されるエネルギーになる。さらに「食事誘発性熱産生(DIT)」も代謝の一部とされ、これは食事の消化・吸収・代謝に伴うエネルギー消費を指す。​