「圧倒的に面白い」「共感と刺激の連続」「仕組み化がすごい」と話題の『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』著者・森武司氏は、2005年の創業以来、18年連続増収増益を達成し、年商146億円となった。ここまで会社を成長させてきた秘密は何か? 本書からより深い学びを得ようと、インタビュー企画を実施。今回お話を伺ったのは、現役のお笑い芸人でありながらデイトレーダーとして大成功し、いわゆる“億り人”になったハニトラ梅木氏だ。そんな梅木氏は、『スタートアップ芸人』をどう読み解いたのか。今回のインタビューでは、うまくいかない時・うまくいきすぎる時の心の持ちかたについて伺った。(ダイヤモンド社書籍編集局)
メモに書いて胸の内を吐き出す効果とは?
――今では億り人となった梅木さんですが、うまくいくことばかりじゃないですよね。うまくいかない時の心の持ちようや、実践していることについて教えてください。
ハニトラ梅木(以下、梅木):頭に浮かんだ感情を、そのままスマホのメモに書いて吐き出します。
ロジカルじゃなくていい。むしろ、自分の心の動きを素直に吐き出すことが大事です。
「なんやねん!」「アホか!」みたいなことも書きますね。僕は嫌なことを引きずるタイプなので、感情を吐き出すことで脳のリソースを増やすことができて、すごくスッキリします。
全部吐き出した後は、冷静になった頭でメモを見返す。その時点で一歩引いた客観的な頭になっていますからね。自分が何にとらわれ、何を大切に思っているのかが見えてくるんです。
――感情を言語化して吐き出すことが大事なんですね。
梅木:一回寝て(仮眠を取って)、感情をリセットする方法もあります。
メモに吐き出す+仮眠のタッグは最強です。
ちなみに『スタートアップ芸人』の【「こうなったら失敗」と決めておく】という話は、とても参考にさせていただきました。
失敗の基準を数値化し、それを超えたらどんなことがあろうとプロジェクトをやめる。
僕も怪談YouTubeのチャンネルをチームでやっているので、最初にデッドラインを共有しておくことは大事だと、改めて思った次第です。
結局は「実力以上には勝てない」
――では逆に、うまくいきすぎた時、勝ち続けたときの注意点はありますか? 元金35万円が1年間で2000万円に→それが160万円に減り→再び這い上がって現在1.3億円! しかも2020年からの出来事で、短期間で驚異的な成功を収めたわけですが。
梅木:実はデイトレードを始めて最初の3日間で1500万円に増やしたんですよ。あの時は「うわー!!」となって「人生楽勝やろ?」 くらいの気持ちになっていました。だけど、株の世界でよく言われるのが、結局は「実力以上には勝てない」「少しずつコツコツやっていくことがいちばんの近道」ということなんです。まあ、僕が身をもって証明していますよね。
もし勝ち続けても、おごらないでいること。これに尽きます。
――元々の実力を上げる方法はあるのでしょうか。
梅木:株の世界でいえば、一体何が正解なのか全くわかりません。「勉強」という努力をし続けるしかないんじゃないでしょうか。
基本的な勉強法ですが、僕は買う銘柄の値動きや、新株の情報を欠かさずチェックしています。これは毎日やるんですよ。スポーツや音楽演奏と同じで、毎日続けると力がつく。逆に1日でも休むと「株が下手になる」んです。
――そんなことがあるんですか!?
梅木:はい。感覚がわずかに鈍ってしまうとか、コンマ1秒でも遅れてしまうとか。株式投資の面白さであり恐さは、四六時中、相場を見て売り買いしていても、必ずしも儲かるわけではないということ。それでも“毎日コツコツ”あるのみで、僕はそれ以外の方法が考えられません。
1.3億円稼いだというと派手な話ですが、やっていることはとても地味なんです。