国会議員は“商社マン”ばかり…麻生派重鎮が語る「日本の政治」の問題点とは?山東昭子氏 Photo by Wataru Mukai

豪傑や器の大きな人たちがいなくなり、高学歴で身ぎれいな商社マンのような人たちばかり――。現在の政界をこう嘆くのは参議院議員選挙で当選8回の最多記録を持つ政界の重鎮、山東昭子氏。政治家が商社マンのようだと何がダメなのか。さらに、現在所属する麻生派の解散についても話を聞いた。(構成/梶原麻衣子)

この連載は、派閥論の名著と名高い渡辺恒雄氏の『派閥と多党化時代』(雪華社)を復刊した『自民党と派閥』(実業之日本社)を事前に読んでもらったうえで取材をしています(一部を除く)。連載の新着記事を読み逃したくない方は、連載のフォローがおすすめです。メールで記事を受け取ることができます。

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――山東さんは、今からちょうど50年前、1974年の参議院議員選挙で初当選し、史上最多となる当選8回を記録されています。山東さんは、渡辺恒雄さんの『自民党と派閥』(実業之日本社)をどう読みましたか。

 非常に懐かしく読みました。岸信介さんが「安保改定実現で退陣したら、後任は大野伴睦に譲る」と約束した「密約書」がありながら総理になれなかった大野伴睦さんの例も紹介されていますが、まさに永田町は「一寸先は闇」と言われているとおりです。

国会議員は“商社マン”ばかり…麻生派重鎮が語る「日本の政治」の問題点とは?『自民党と派閥 政治の密室 増補最新版』(実業之日本社)1800円(税別)

――山東さんは田中角栄さんが会長を務める田中派に所属されていました。

 田中派は本当にファミリー的な雰囲気で、温かかったですよ。みんな田中先生を「おやじさん」と呼んでね。ロッキード事件で田中先生が逮捕され、保釈されたときに派閥の衆参議員みんなで励ましに行ったことがあるんです。すると田中先生が入ってきて開口一番、「みんな悪かったな。俺のせいで1万票ずつくらい得票を減らしたよな。その分、俺が一生懸命応援するから」とこちらが逆に励まされました。そういう姿勢にみんな惚れて、ついていったんです。それはもう、会った人はみんな惚れるという人間性でした。