新型コロナウイルスワクチン開発を成し、コロナバブルを大いに享受して大手製薬の仲間入りをした米モデルナ。目下、新型コロナの感染が再び全国で拡大しているが、世界的なパンデミックは収束している。需要減少でコロナワクチンから撤退する製薬会社も出てくる中、モデルナは一発屋で終わるのか。3月に就任したモデルナ・ジャパンの長山和正社長に「パンデミックの後に就任した社長は何をするのか?」を問うた。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)
娘が受験本番でコロナ感染
ワクチン接種を説得しきれず
――新型コロナウイルスワクチンはもう接種しなくても大丈夫だろうという感覚の人が多いのが実情です。
娘が2年前に大学を受験した当時、高齢者以外はもう重症化しないだろうという話が流れていました。受験を控えて3回目の接種を促したところ、お父さんは“そっち側”だからと返され、説得しきれなかったんですよね……。そっち側というのは、この時すでに私はモデルナ・ジャパンに入社していたんです。
3回目を接種しないまま受験本番を迎えたところ、大学入学共通テストの2日前に感染しました。40℃の熱が出てけいれんを起こし、共通テストは受けられず。その後の私立受験も全滅し、共通テストの追試験で何とか国公立を受けました。
私立は偏差値10、20下げた滑り止めまで全て滑った。娘本人はこの時のことを覚えていないようですが、まさにブレインフォグ(新型コロナの後遺症の一つで、脳の中に霧がかかったような症状で記憶力や集中力などが低下)の状態になっていた。この状態から1カ月で回復したからまだよかったんですけど、1年以上続く人もいる。
――娘さんは今?