約6000万円のマイホームを購入したい
積立投資を始めて少したったころ、「購入する住宅に目星を付けている」と言われました。今まで社宅で我慢してきた部分もあったので、妻の希望もあり、老後はちょっと豪華な設備を付けた注文住宅に住まわせてあげたいと考えているそう。いくらくらいで実現可能かと相談に行ってみたところ、23区外の都内の駅近くの土地で、6000万円ほどの予算で手に入れられそうであったため、そこに決めたいと希望しています。住宅ローンは利用せず、一括購入をする計画です。
住宅を購入しても、老後資金は5000万円ほど残るので、問題はないだろうと考えたそうです。私も普通であれば十分な資金を持って老後生活に入れる方だと判断するのですが、念のためライフプラン表を引いてみると、なんとTさんが80歳頃に資金が枯渇してしまう結果となりました。老後のライフプランには3年に1度の海外旅行を組み込んだり、15年後のリフォーム代を組み込んであったので、それらを省いても夫が82歳になるまでしか持ちません。
原因は支出の大きい「生活費」です。質素に暮らしてきたとはいえ、収入の増加に伴い、支出は増えていました。長男の教育費の支払いが終了しても、毎月の生活費は37万円ほどかかる見込みです。Tさんが65歳を過ぎて自然に少し生活費が減ったと考えても、厳しい状況だということが分かりました。
Tさんご夫婦の年金受給額は、ご夫婦が揃って年金を受給すると約20万円ほどになります。つまり生活費を37万円捻出するには約17万円の補填が必要な状況で、老後資金がどんどん減ってしまうことが予想されるのです。
今まで社宅で我慢してきたのに、好きな家を購入したら老後が大変なことになる、家を買ってはいけないのかとTさんは肩を落としています。これまで頑張ってお金を貯めてこられたのですから、無理もありません。ですが、状況を変えることは可能です。