“残念サラリーマン”のお金相談所写真はイメージです Photo:PIXTA

社宅住まいだったため、定年退職までに家を買おうと計画しているTさん。貯金は7000万円ある上、大手企業に勤めており、退職金等で4000万円受け取れるので、1億1000万円の老後資産があります。家を買うくらい大丈夫、と思いきや、シミュレーションの結果は「80歳で資金が枯渇する」。老後に家を買うのは、そんなに難しいことなのでしょうか?(家計再生コンサルタント 横山光昭)

「定年退職後に家を買う」人に注意してほしいこと

 転勤が多い、社宅があるなどの事情により、定年退職後に住宅を購入することを計画される人もいるでしょう。コツコツとお金を貯めて準備されている方がほとんどですが、購入する住宅の価格や、老後の生活の仕方により、どんなにお金を貯めても「老後破綻」に向いてしまう場合があります。

 今まで我慢してきたから、頑張ってきたからという思いから、家は豪華に、生活はちょっと贅沢に……などと思う気持ちも分かります。しかし、稼ぐ力が低くなっている老後に両方を実現するのは、多くの場合難しいということを忘れてはいけません。

 ある程度のところで妥協点を見つけてほしいのですが、ご自身では分からないということも多いでしょう。そういう時は、ファイナンシャルプランナーなどに今のお金の使い方で、老後はどうなるのかをシミュレーションしてもらうのもよいと思います。

 定年後にマイホームを購入することを目標にコツコツ貯金され、退職金等を合わせると1億円以上の資産になるTさんが、住宅を購入しようとした場合に起きたことを紹介します。