グローバル企業の経営幹部の間では世界の二大経済大国で漂い始めた暗雲への懸念が高まっている。米ファストフード大手マクドナルドからドイツの高級車大手メルセデス・ベンツグループに至るまで、大企業の幹部は中国と米国で消費者が支出を控える傾向が強まっていると指摘する。消費抑制の要因は両国で異なっており、中国では住宅市場の崩壊や賃金低下、景気見通しの悪化を背景に需要が後退している。米国では高インフレが続く中で低所得者層を中心に家計の苦境が深まっている。労働省の発表によると、7月は雇用が減速し、失業率は4.3%に上昇した。アーンスト・アンド・ヤング(EY)のチーフエコノミスト、グレゴリー・ダコ氏は「世界で個人消費の大部分が圧力にさらされており、企業は現在、売り上げを伸ばす手段について創造性を高める必要に迫られている」と語る。