「自力整体」とは、整体プロの技法を自分におこなう人気メソッドです。現在1万5000人が実践中。「久しぶりにぐっすり眠れた!」「10年間苦しんできた慢性痛から解放された!」「健康的にダイエットできた!」と絶賛の声が続々。「3分以内でできる悩み解決ワーク」を集めた著書『すぐできる自力整体』も好評。著者の矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語ります。今回は、東洋医学の視点から、排泄力をアップする自力整体をお届けします。
監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
(写真/榊智朗 構成/依田則子)
排泄なくして若返りなし
――矢上さんの書籍『すぐできる自力整体』に掲載の体験談には、「毎朝スッキリ」「排泄力がアップした」という声が多いのも印象的でした。
矢上真理恵(以下、矢上):生徒さんにはいつも「排泄なくして治癒はなし、排泄なくして若返りなし」とお伝えしています。
東洋医学では、若さと健康の条件は「気が満ち、気がめぐり、血がめぐり、水がめぐる」と考えます。
ですから、便秘でお腹がはって苦しい状態は、この「気・血・水」の流れが渋滞しているサイン。体のエネルギーはどんどん奪われ、老け込みやすくなります。
大腸の働きを活発にする方法
矢上:というわけで、自力整体は排泄力アップに役立つのも大きな特徴です。
教室でのレッスン後、生徒さんがトイレに駆け込まれるのは、よくある光景です。それほど停滞していた便が動き出すということですね。
これは、骨盤まわりの関節や筋肉を動かすことで、硬く緊張していた「腸腰筋」がほぐれ、腰椎・腰髄神経の緊張も解放、その神経が便を動かす、というわけです。
即効性があるのは「鼠径部のばし」
――大腸の動きを活発にする、即効性のあるワークを教えてください。
矢上:いくつかありますが、手軽なのは「鼠径部(そけいぶ)」をのばして大腸を刺激して、腸腰筋をほぐすワークです(※ワーク詳細は後半で紹介)。
横腹をマッサージしながらおこなうと、便を動かす神経の刺激で、大腸がゴロゴロと動き出します。ガンコな便秘に悩む方は、ぜひやってみてください。
最後に、この「鼠径部のばし」のワークを紹介しましょう。
矢上予防医学研究所ディレクター
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見みて、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』(ダイヤモンド社)がある。
監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)写真右
矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約500名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』(ともに新星出版社)など多数。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。 写真/榊智朗