【整体プロが指南】認知症になりやすい人とは？ こんな人は要注意「7つの見た目」

「自力整体」とは、整体プロの技法を自分におこなう人気メソッドです。「家族の認知症の症状が和らいだ」「熟睡できた」「慢性痛から解放された」「脊柱管狭窄症の痛みが和らいだ」など、多くの声が寄せられています。今回、3分以内で痛みや不調を解決するワークを集めた『すぐできる自力整体』が発売。著者の矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語ります。
現在、自力整体は1万2000名が実践。その1/4（約3000名）は70歳以上。痛みや不調改善のほか、認知症の予防・改善のために実践される方も多いそうです。
そこで今回は、自力整体の考案者であり、50年近く、鍼灸師・整体治療家・ヨガ講師の経験をもとに予防医学を研究する矢上裕さん（矢上真理恵さんのお父様）に、「認知症の予防・改善」について、お話をうかがいました。
監修：矢上 裕　矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
（写真／榊智朗　構成／依田則子）

こんな人は要注意？「7つの見た目」

――矢上先生の50年近いご経験と整体の視点から、この先、認知症を発症しやすいと思われる方の見た目の特徴を教えてください。

矢上裕（以下「矢上」）：わかりやすい見た目は、次の7つ。「猫背」「そり腰」「ぽっこりお腹」「お尻がぺたんこ」「下半身太り」「O脚」「X脚」。

この7つの特徴は、骨盤のゆがみのサイン。どれか一つでも当てはまる方は、早めの調整をおすすめします。

骨盤のゆがみは、歳を重ねるごとに歩行困難や血管の病気のリスクを高めます。そして認知症の症状も出やすくなる。自力整体のような自分でできる骨盤調整を習慣にするとよいと思います（★ワークは後半で紹介）。

骨盤のゆがみは自分でわかる？

――そもそも骨盤のゆがみは、自分でわかるものでしょうか？

矢上：体型や、痛み・不調の傾向で「骨盤のゆがみのタイプ」はだいたいわかります。次の4タイプです。

1　骨盤前傾
「骨盤前傾」のわかりやすい特徴は「そり腰」です。横から見ると、骨盤の上部が前に傾いています。ほかに「猫背」「ぽっこりお腹」「お尻が出っ張っている」「前太ももが張っている」。そり腰により、腰椎周辺の筋肉と太ももが、つねに緊張しているため、腰痛とひざ痛、脊柱管狭窄症なども引き起こしやすくなりますので、放置しないようにしましょう。

2　骨盤後傾
横から見ると、骨盤の上部が後ろに傾いています。体型は「猫背」「下っ腹がぽっこり」「お尻は下がってぺたんこ」。肩甲骨周辺の筋肉がつねに緊張しているため、肩コリが発生しやすく、前屈、開脚、長座（脚を前にのばして座る姿勢）が苦手。胸やお尻の位置が下がっているのも特徴です。

3　骨盤の左右の傾き
骨盤が左右どちらかに傾き、脚の長さに左右差があるため、歩いたり、走ったりするときに、どちらか片方のひざや股関節に負担がかかります。やがてひざの痛み、坐骨神経痛などを発症。骨盤が片側へ傾くと背骨も曲がりやすく、側弯状態などを引き起こす傾向にあります。

4　骨盤のねじれ
骨盤を上から見てねじれている状態です。とくに背骨に負担がかかるため、腰痛をはじめ、肩コリ、頭痛が出やすい傾向です。

骨盤は、上半身と下半身をつなぐ私たちの人体のベース。骨盤のゆがみを調整する習慣は、これからの人生の強い味方になるはずです。

効果的な骨盤調整のコツ

――効果的に骨盤のゆがみを調整するコツを教えてください。

そもそも「骨盤のゆがみ」とは、大きな2つの関節「仙腸関節」「股関節」のいずれかにズレが生じて、ゆがんだ状態を指します。この2つの関節の筋肉群で最も重要なのが、「大腰筋」。硬くなっている大腰筋をほぐせば、「仙腸関節」や「股関節」は緊張から解放。ズレ・ゆがみを効果的に取り除くことができます。

――最後に、「大腰筋」を効果的にほぐす骨盤調整のワークをご紹介ください。

矢上：大腰筋をしっかりほぐす、次ページの「骨盤のゆがみをしっかり整える」ワークを紹介しましょう。血流も良くなり、夜おこなえば熟睡にも役立ちます。