シニア留学に熱視線、長年の夢を叶えるために

 定年退職後の選択肢は人それぞれ。再雇用で働く人が多い中、長年の夢を叶えるためにあえて仕事から離れる人もいます。その1つとして秘かに注目されているのが、シニア留学です。海外旅行も魅力的ですが、旅行で観光スポットめぐりをするのと、現地で生活してみることは、大きく違った体験が味わえるはず。また、永住するのとは違ってハードルもそれほど高くはありません。

定年退職のタイミングは、留学のいいタイミング。「海外で暮らしてみたい」という憧れをかなえられる Photo:Unsplash定年退職のタイミングは、海外へ留学するのにいいタイミング。「海外で暮らしてみたい」という憧れをかなえられる Photo:Unsplash

「若いうちからずっと海外で暮らしてみたかった」「大好きな国の文化や生活に触れてみたい」「インバウンドの手助けがしたい」「ボランティアやキャリア形成に役立てたい」など、シニア留学の動機はさまざま。お子さんがいる方も、定年を迎える頃には独立し、残りの人生は自分自身と向き合い好きなことをしてみたい、という方も少なくないでしょう。

 シニア留学における不安として挙げられるのは、留学中の健康面での悪化や留学先の治安、食事、クラスメートやホームステイ先とうまくやっていけるかといったこと。こうした不安を解消するために、シニア向けの留学を手掛けるエージェントも最近では人気のようです。

 現役で仕事をしている間に数か月の休みを取ることは、普通はなかなかできないもの。かといって、休職してまで留学するのも現実的には難しいものです。友人は「推し」のグループが活動する韓国への留学を夢見て、毎日コツコツと韓国語を学んでいます。それが今の仕事や生活の張り合いにもなっているといいます。

 かつて留学と言えば、20代の若者が行くものだと思われていたことでしょう。50代のうちに、あるいは定年という1つの区切りに、留学という形で長年の願いを実践するのは、人生100年時代ならではの選択肢といえるのではないでしょうか。