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人生100年時代。「定年後も働きたい」と希望する人が増加し、70歳までの継続雇用制度を導入する企業も増えつつあります。しかし同じ継続雇用制度といっても「再雇用」と「勤務延長」とでは条件が大きく異なります。さらには、同じ会社で働き続けるのではなく、定年退職を機に、別のことをやってみるというのも一つの選択肢。例えば「海外で暮らしてみたい」「留学したい」という希望を叶える「シニア留学」にも注目が集まっています。(社会保険労務士 佐佐木由美子)

*本記事は、佐佐木由美子『1日1分読むだけで身につく定年前後の働き方大全100』(自由国民社)を再編集したものです。

再雇用と勤務延長はどう違う?

 定年後の働き方に、「継続雇用制度」という言葉がよく出てきます。現在は、70歳までの就業機会を確保することが事業主の努力義務となっており、70歳までの継続雇用制度を導入する企業も少しずつ増えています。この継続雇用制度は、「勤務延長制度」と「再雇用制度」の2つに大別できます。「勤務延長制度」とは、定年到達者を退職させることなく、引き続き雇用する制度。そのため、給与をはじめ職務内容が大きく変わることはありません。勤務延長が終了するときに、退職金が支払われます。他方、「再雇用制度」とは、定年到達者をいったん退職させ(退職金も支払い)、新たな労働契約で雇用する制度をいいます。そのため、雇用形態や労働条件が変更されるのが一般的です。

 継続雇用制度というとき、ほとんどが「再雇用制度」を指すことが多く、嘱託社員として新たな労働条件で働くことが多いのが実情です。勤務延長では、定年前の労働条件で働くことができるため、働く人にとってモチベーションが保てることが大きなメリットですが、制度導入の有無は会社によります。勤務先の就業規則において、定年後の継続雇用制度がどのように規定されているか確認しておきましょう。

大企業では再雇用制度が中心大企業では再雇用制度が中心 拡大画像表示
【10秒チェック!】継続勤務制度のうち、再雇用制度のみを導入している企業が多いのが実情です。勤務先の制度を就業規則等で確認しましょう。