予備校の夏期講習で「成績が伸びる人」と「勉強した気になっている人」の決定的な差Photo:PIXTA

計9年間の浪人を経て早稲田大学に合格した経験を持つ筆者・濱井正吾(通称:9浪はまい)が、良くも悪くも浪人を重ねたからこそ分かる「塾・予備校の選び方」をお届けします。今回のテーマは「夏期講習」。基礎から応用まで、さまざまな科目・講義が用意されている夏期講習ですが、その選び方を間違えると「勉強した気になっただけ」で終わってしまいます。そこで、かつて何度も夏期講習を受講した男が、夏に成績を伸ばすコツについて解説します。(教育ジャーナリスト 濱井正吾)

予備校で夏期講習を受けて
「成績が伸びる人」と「伸び悩む人」の差は?

 私はかつて、家族の事情などで集中して勉強するのが難しい環境にいました。そこから仮面浪人を経験したり、社会人生活と並行して受験勉強を重ねたりする中で、難関大学合格への熱意が高まりました。そして9浪を経て、念願叶って早稲田大学に合格しました。

 この長い長い浪人生活の中で、私は数多くの「夏期講習」を受講してきました。

 念のため解説しておくと、多くの予備校は前期と後期に分けて授業のカリキュラムを組み、その「中休み」にあたる夏に集中講義を開講しています。これが夏期講習です。受講には別料金がかかる半面、普段はその予備校に通っていない人(=ビジター生)が単発で受講できるなど、融通が利く側面もあります。

 さらに、夏期講習にはさまざまな種類の講義があります。具体的には、前期の総復習、各科目に特化した集中講義、難関国公立対策・難関私立大学対策などが挙げられます。普段の授業とは違った内容が学べるため、生徒たちはいつもより楽しく受講できるかもしれません。

 そのため、ちょうど今、大学合格に向けて夏期講習に通っている方も多いのではないでしょうか。ですが、「夏期講習を受けると成績が伸びる」と過度に期待するのは危険です。今回は私の経験を踏まえながら、そう言える理由を解説していきます。

【次ページ以降】
・志望大学に受かるために、夏のうちに絶対やっておくべきこと
・9浪はまいが夏期講習で、古文の偏差値を爆増させた勉強法
・夏期講習でどの講義を選ぶべき?迷った時の判断基準とは