早慶模試A判定→6浪でMARCH進学…優秀なのに「入試本番で落ち続ける人」の残念な実態Photo:PIXTA

計9年間の浪人を経て早稲田大学に合格した経験を持つ筆者・濱井正吾(通称:9浪はまい)が、「多浪生の実態」を赤裸々に語ります。中には、成績優秀で「早慶模試でA判定」を連発していたのに、入試本番で結果を出せず、6浪の末にMARCHに進学した知人も…。同じ浪人生でも、「1浪で受かる人」と「多浪する人」は何が違うのでしょうか。(教育ジャーナリスト 濱井正吾)

複数の多浪経験者に
共通する要素とは?

 私はかつて、家族の事情などで集中して勉強するのが難しい環境にいました。そこから仮面浪人を経験したり、社会人生活と並行して受験勉強を重ねたりする中で、難関大学合格への熱意が高まりました。そして9浪を経て、念願叶って早稲田大学に合格しました。

 今でこそ多浪経験者の受験体験談がSNSやYouTube上にあふれるようになりましたが、私が受験勉強をしていた時期に、そのような情報はほぼ皆無でした。

 私は浪人生活の中で、いろんな受験生と机を並べて勉強してきたものの、そのほとんどが1浪生。多浪を経て大学受験をする人は本当にごくわずかでした。そのため、当事者である私自身が他の多浪生の実態を知らず、自分と似た境遇の人が居るのかどうか謎に包まれている状況でした。

 しかし大学に入ってからは、早大以外の学生も含め、複数の多浪経験者と接点ができました。彼・彼女らの話を聞きながら、自分たちがなぜ浪人を重ねたのかを省みるうちに、多浪する人たちには共通する要素があることがわかりました。

 そこで今回は、「1浪で受かる人」と「多浪する人」の違いについて考察していきます。現役時の失敗を踏まえ、志望校に合格するべく奮闘しているはずなのに、なぜ結果が出るまでの年数に差が付くのでしょうか――。

【次ページ以降】
・「1浪で受かる人」と「多浪する人」の決定的な差
・早慶模試A判定→6浪でMARCH進学した知人
・「大学卒業→医学部再受験」という修羅の道