グーグルがスマートフォン事業に参入してから随分たつが、これといった成果は見られていない。世界のインターネット検索の91%を支配する企業でさえ、時に多少の支援が必要なことがある。グーグルは13日午後に開催されたイベントで、同社のスマホの第9世代にあたる「Pixel 9(ピクセル9)」シリーズを発表した。ピクセルはグーグルの完全な自社設計スマホだが、レビュアーから常に高い評価を受けるものの実際にはほとんど売れていない。調査会社カウンターポイント・リサーチのデータによると、昨年と今年上半期の世界スマホ出荷台数に占めるピクセルの割合は1%をわずかに切っていた。だが今回の最新機種は、グーグルと親会社アルファベットに一段と生成AI(人工知能)に注力する機会をもたらす。13日のイベントでは、新たに搭載されたAI機能、例えば画像生成アプリ「ピクセル・スタジオ」や、スクリーンショットをスキャンしてコンテンツを探す別のアプリなどを紹介するのに多くの時間が割かれた(ハードウエアのどの設計要素を説明する時間よりもはるかに長かった)。またいくつかの新機能はピクセル限定ですらない。グーグルはピクセルのAIツールを、同社のモバイル向け基本ソフト(OS)アンドロイドを搭載する他のスマホにも広く普及させたい考えだからだ。13日にはグーグルの生成AIツール「Gemini(ジェミニ)」の音声AIチャットボット(自動会話プログラム)機能「ジェミニ・ライブ」を、互換性のある全てのアンドロイド対応スマホに対し、英語で提供を開始すると発表した。グーグルはさらにアップルのモバイル向けOS「iOS」搭載端末に向けたバージョンも近く開始すると述べた。
グーグルのAI搭載新型スマホ、真の狙いはどこに
主眼を置くのはAIサービス推進とアップルへの対抗心
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