個人投資家の間で大きな支持を集めるベストセラー『株トレ 世界一楽しい「一問一答」株の教科書』に、待望の続編『株トレ ファンダメンタルズ編』が発売した。前作はチャート分析がテーマだったが、今作は企業の業績や財務の読み方を中心とするファンダメンタルズ分析を扱う。著者は、ファンドマネジャー歴25年、2000億円超を運用してTOPIXを大幅に上回る好実績をあげたスペシャリストの窪田真之氏。本書から特別に一部を抜粋して紹介する。
利益よりも「利益率」に着目してほしい
株式投資をするうえで、一番重要なのが損益計算書を読むことです。
企業が1年間の営業活動を行った結果、生じる利益または損失を表すのが、損益計算書です。
損益計算書を読む目的は何でしょうか。
「増益か減益か?」まず、そこに目がいく人が多いと思います。
確かにそれも見るべきポイントの1つには違いありません。ただし、実際には、もっと重要なポイントがあります。
「利益率が高いか低いか?」
「利益率が上昇しているか、低下しているか?」
私はまず、そこから見ます。なぜならば、そこに企業の「利益を生み出す力」が表れているからです。
投資の実力を磨く『株トレ』のクイズに挑戦!
うどん店の丸亀製麺などを展開するトリドールHDと、家具・住居製品小売りニトリを展開するニトリHDの2024年3月期損益計算書が出ています。
トリドールHDは、M社とN社のどっち?
【ヒント】外食業と小売業の違い
小売業は、仕入れた商品を販売します。一方で外食業は、食事を提供する際に、調理・接客・片付けなどのサービスが必要です。
ニトリHDは、小売業の中では、粗利率が高く、トリドールHDは、外食業の中では、粗利率が高い企業です。
両社とも人手不足による人件費上昇が販管費の増加要因となっています。