株式投資をする人たちの間で人気を博す『株トレ 世界一楽しい「一問一答」株の教科書』に、待望の続編『株トレ ファンダメンタルズ編』が発売した。前作はチャート分析がテーマだったが、今作は企業の業績や財務の読み方を中心とするファンダメンタルズ分析を扱う。著者は、ファンドマネジャー歴25年、2000億円超を運用してTOPIXを大幅に上回る好実績をあげたスペシャリストの窪田真之氏。本書から特別に一部を抜粋して紹介する。

個人投資家に人気の高配当株投資、銘柄選びに1つの落とし穴【株のプロが解説】Photo: Adobe Stock

安定的に高配当利回りを期待できる銘柄が多い日本株

 株は値上がり益で稼ぐと思い込んでいる人が少なくありません。発想を転換してみましょう。

 今の日本株には、値上がりはあまり期待できなくとも、安定的に高い配当利回りを期待できる銘柄が増えています。

 ただし1つ注意が必要です。株の配当利回りは、確定利回りではありません。

 業績が悪化して減配になれば、利回りが低下します。株価が大きく下がる可能性もあります。

 単に予想配当利回りが高い銘柄を選ぶのではなく、長期的に保有して減配になりにくい銘柄を選ぶことが大切です。

投資の実力を磨く『株トレ』に挑戦!

 次の4社の売上高と営業利益、配当利回りの予想値が出ています。

JT(2024年12月期)
NTT(2025年3月期)
JR東海(2025年3月期)
東京電力HD(2025年3月期)

 C・D・E・F社は、それぞれどの会社?

個人投資家に人気の高配当株投資、銘柄選びに1つの落とし穴【株のプロが解説】2024年5月末時点の数字です。

【ヒント】
日本国政府が大株主だと株主への利益配分に積極的

 JTは財務大臣(保有比率37.57%)、NTTも財務大臣(同34.72%)が筆頭株主です。日本国政府が大株主の銘柄は株主への利益配分に積極的で、配当利回りが高くなる傾向があります。

 上場しているJR4社はかつて国有鉄道でしたが、今は完全民営化されて政府の保有はありません。