「この株は売り? それとも買い?」投資シミュレーションのようにクイズを解きながら「株で勝つ技術」を身につける『株トレ 世界一楽しい「一問一答」株の教科書』の続編『株トレ ファンダメンタルズ編』が発売した。前作はチャート分析がテーマだったが、今作は企業の業績や財務の読み方を中心とするファンダメンタルズ分析を扱う。著者は、ファンドマネジャー歴25年、2000億円超を運用してTOPIXを大幅に上回る好実績をあげたスペシャリストの窪田真之氏。本書から特別に一部を抜粋して紹介する。

株のプロが教える「経営不振に陥る会社の決算に共通する1つの数字」Photo: Adobe Stock

絶対買ってはいけない株の共通点

 第3章ではバランスシート(貸借対照表)を学びます。

 バランスシートを読む最大の目的は、財務内容が「健全か不健全か」知ることにあります。

 異常な姿のバランスシートを見た時にすぐにわかる眼を持ちましょう。株式投資で必要な最低限の知識です。

 株式投資で、絶対やってはならないことがあります。財務内容の悪い株を買うことです。

株のプロが教える「経営不振に陥る会社の決算に共通する1つの数字」

 業績は変動します。今期悪くても、来期は良くなるかも。だから、業績が悪くて株価が下がっている時は割安に買うチャンスかもしれません。

 ところが、財務内容は簡単には変わりません。財務がひどい会社は、少しくらい業績が良くなっても財務内容は悪いまま。最悪、破綻してしまうと、株式の価値はゼロになることもあります。

 だから、業績の悪い株を買うのはOKでも、財務内容がひどい会社を買うのは絶対ダメなのです。

投資の実力を磨く『株トレ』に挑戦!

 業績不振で株価下落の製造業G社。そろそろ買い出動したい。

 ちょうど第57期決算を発表し、売上高は前期比8.3%減の110億円、営業利益は16.7%減の10億円でした。

 過去2年(第56期・57期)のバランスシートと業績は次の通り。

 新年度(第58期)に業績回復を期待できる?

株のプロが教える「経営不振に陥る会社の決算に共通する1つの数字」過去2年のバランスシートと業績

【ヒント】売掛金、受取手形、買掛金とは?

売掛金と受取手形
物は売ったが代金は未回収の部分。企業同士の取引で現金決済は少なく、売掛金として、月末にまとめて受取手形で決済する。受取手形の支払い期日は30~60日後が多い。

買掛金
物は買ったけれど、代金未払いの部分。月末にまとめて支払手形を振り出すことが多い。