【人気番組『よ~いドン!』(関西テレビ)で大反響!!】
「仕事がおもしろくない」「上司にうんざり」「もう会社を辞めたい!」――そんな思いを少しでも抱えているのなら、ぜひ参考にしたいのが、“90歳代の現役 総務課長”としてバリバリ働いている玉置泰子さんの著書『92歳 総務課長の教え』(ダイヤモンド社)だ。ベストセラー作家・本田健氏も絶賛する泰子さんの教えは、新入社員からベテラン社員まで即役立つ、説得力あふれる教訓が満載。「世界最高齢の総務部員」としてギネス世界記録に認定された泰子さんが教えてくれる、長く幸せに働く63の秘訣は必読! ※本稿は、『92歳 総務課長の教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
思いもよらない転機
1930(昭和5)年5月15日生まれ。商業高校を卒業後、25歳で三興鋲螺(現・サンコーインダストリー)に入社。以来66年にわたり、経理や庶務の業務を担ってきた。現会長より11歳年上で勤続年数も長いことから、同社の歴史を知る語り部として新人研修の担当もしている。2020年11月「世界最高齢の総務部員」としてギネス世界記録に認定される。著書『92歳 総務課長の教え』(ダイヤモンド社)を上梓すると、たちまち大反響となる。
私に思いもよらない転機が訪れたのは、40歳のときでした。いきなり課長の辞令が出たのです。
それまで経理や総務といった裏方の仕事は、創業者がメインになって担ってきました。会社の規模が徐々に大きくなり、社員数が増えてくると、それでは仕事がまわらなくなってきました。
そこで新たに総務課を立ち上げて、その課長にいちばんの古株だった私を据えることになったのです。
課長に任命されて戸惑ったワケ
1970(昭和45)年のことですから、女性が課長になることがまだ珍しかった時代です。普通なら喜ぶべきところかもしれませんが、私は戸惑いました。
通常は、主任、係長、課長と昇進しますが、私は平社員からいきなり課長に任命されたからです。
課長には、業務をマネジメントする力、部下を統率するリーダーシップといった要素が欠かせません。しかし、私はマネジメントもリーダーシップも経験がありませんでした。
課長になりたてのある日
起こった事件とは?
ビジネス書を読むのは好きでしたから、頼るものが本から得た知識くらいしかなかった私は、課長になったらチームの司令官的に振る舞うべきだと思い込みました。
私から指示を出して、その通りに課員を動かすリーダーシップが何よりも重要だと考えたのです。
ところが、課長になりたてのある日、“事件”が起こりました。
部下に声をかけたのに……
その日、経理事務が最も忙しくなる決算期を目前に控えて、終業後に全員で打ち合わせをして、決算期の残業をお願いしようと思っていました。
終業時刻が近づいたタイミングで、「今日は打ち合わせをしたいので、みなさん少し残ってください」と課内で声をかけました。課長が指示したら、突然のお願いであっても、部下はいうことを聞いてくれると安易に考えたのです。
ところが、部下たちは「イエス」とも「ノー」ともいわずに、終業時刻を迎えると全員さっさと帰ってしまいました。それは、私に対する課員の明白な拒絶でした。
※本稿は、『92歳 総務課長の教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。