「仕事がおもしろくない」「上司にうんざり」「もう会社を辞めたい!」
そんな思いが少しでもあるなら参考にしたいのが、92歳にして、現役総務課長としてバリバリ働いている玉置泰子さんの著書
『92歳 総務課長の教え』だ。
ベストセラー作家・本田健氏も絶賛する泰子さんの教えは、新入社員からベテラン社員まで即役立つ、説得力あふれる教訓と箴言が満載。「世界最高齢の総務部員」として、ギネス世界記録に認定された泰子さんが、長く幸せに働く63の秘訣を手とり足とり教えてくれる。

※本稿は、『92歳 総務課長の教え』より一部を抜粋・編集したものです。

【92歳の現役総務課長が教える】人と会ったとき絶対に忘れてはならないたった1つのこと鳴田小夜子(KOGUMA OFFICE)

好きになってくれた人を好きになる

社内の人でも社外の人でも、誰かとはじめて会うときには、できる範囲で情報を仕入れてから臨むようにします。著名人と違って一般人は、ネットで情報を得られないケースも多いですが、できる範囲で「今度いらっしゃる人はどんな人?」と周囲に尋ねるなどして、小さな情報を集めるようにします。兵法書『孫子』の「彼を知り己を知れば百戦殆あやうからず」という教えが示すように、決してケンカ腰で臨むわけではないにしろ、相手に関する情報は多いほうが何かとよいものです。

相手を知ろうとする姿勢は、相手にも気配として伝わります。昔から「好きになってくれた人を好きになる」ともいわれます。実際、自分に関心を持ってくれる人には、こちらも関心を抱くという心理が働くように思います。自分が関心を持ったことがきっかけとなり、相手も関心を抱いてくれるようになったら、たとえ難しい話し合いでも、うまく進む確率が高まるでしょう。

相手への関心度は気配として伝わる

反対に、あなたが相手に関する情報がゼロの状態、いわば“手ぶら”で会ったとしたら、どうでしょうか? そのことも、なんとなく気配として相手に伝わってしまうかもしれません。

逆の立場で考えてみればわかります。あなただって、相手が“手ぶら”の状態だったら、同じように関心のなさを気配として感じるのではないでしょうか。相手をよく知って、自分も知ってもらうところから、本当のおつき合いがはじまる。とくに営業活動では、これは鉄則といえるでしょう。

エンディングはつねに笑顔

そして、打ち合わせなどが終わって別れるときには、つねに笑顔を心がけます。「エンディングはつねに笑顔」というのも、私が大事にしているモットーです。話し合いが首尾よく終わったら、お互いに自然と笑顔になるでしょう。仮に話し合いが思ったように進まなかったとしても、「本日はありがとうございました。こちらで失礼します」と丁重に挨拶するだけではなく、そこに笑顔を添えるようにします。

人は不思議なもので、相手の笑顔を見ると、自分も笑顔になるもの。笑顔と笑顔で別れたら、よい印象が残りますから、「また会いたいな」と思うものです。もう一度会う機会に恵まれたら、そのとき少々難しい話でも、お互いが壁をとり払って首尾よく進むかもしれません。笑顔を忘れて仏頂面をしていたら、また会う機会がなくなってしまうでしょう。互いに再会したいというポジティブな気持ちで別れられるように、「エンディングはつねに笑顔」を守るようにしたいものです。

※本稿は、『92歳 総務課長の教え』より一部を抜粋・編集したものです。