【世界最高齢の総務課長が教える】部下を自分の思い通りに動かそうとして総スカンを食らい、給湯室で茶碗を磨きながらふと浮かんだ「上司の作法」とは？

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「仕事がおもしろくない」「上司にうんざり」「もう会社を辞めたい！」――そんな思いを少しでも抱えているのなら、ぜひ参考にしたいのが、“90歳代の現役 総務課長”としてバリバリ働いている玉置泰子さんの著書『92歳 総務課長の教え』（ダイヤモンド社）だ。ベストセラー作家・本田健氏も絶賛する泰子さんの教えは、新入社員からベテラン社員まで即役立つ、説得力あふれる教訓が満載。「世界最高齢の総務部員」としてギネス世界記録に認定された泰子さんが教えてくれる、長く幸せに働く63の秘訣は必読！ ※本稿は、『92歳 総務課長の教え』（ダイヤモンド社）より一部を抜粋・編集したものです。

部下に拒絶され腹が立つより
フツフツと湧いた気持ちとは？

40歳のとき、平社員から課長に抜擢されましたが、そんなある日、課のみんなに残業をお願いしたところ、全員から拒絶され、総スカンとなったのですが、あのときは腹が立つというよりも、情けない気持ちのほうが強かったことを覚えています。

モヤモヤした気分のままで、とりあえず掃除して帰り支度をしようと給湯室をのぞいてみたら、課員の湯飲みがシンクに置かれていました。

洗う間もなく、慌ただしく帰宅を急いだのでしょう。「湯飲みが汚れたままだと、明日の朝、みんなが出社してから困るだろうな」と思った私は、一つひとつ磨き粉をかけて磨き上げました。

湯飲みを磨きながら
ふと気づいたこと

その最中にふと気がついたのです。課長としてやるべきなのは、指示を出す前に、一人ひとりが活躍できるように個々を磨き上げることではないかと。

1＋1が2になるのがよい組織ではなく、1＋1が3にも4にもなるのがよい組織です。

課員一人ひとりが伸ばした力を結集することで、総務課全体のパフォーマンスを向上させる。そのお手伝いをするのが、課長の大切な仕事なのだと考え直したのです。

心を入れ替えて臨んだ
上司としてのスタンス

翌朝、私は「昨日は突然、打ち合わせをするなんて指示を出してごめんなさい。これからもみなさんと仕事をしたいから、一緒にやっていきましょう」と素直に頭を下げました。

それからは自分の指示通りに動かそうとはせず、「みんなで成長しよう」というスタンスで臨みました。すると、みんなが私と並走してくれるようになり、懸案だった決算も無事に乗り切ることができました。

そうするうちに、部下は「玉置課長は古株だから、困ったことがあったらなんでも相談しよう」と思ってくれるようになり、コミュニケーションが良好になって、総務課全体としての実績もついてくるようになりました。

※本稿は、『92歳 総務課長の教え』（ダイヤモンド社）より一部を抜粋・編集したものです。