クッキーの扱いに見る、欧米と日本の違い

 このクッキー利用に関するダイアログには、「Accept all」(すべて受け入れる)、「Deny」(拒否する)、「No, adjust」(自分で個別に選択する)という3つの選択肢があり、「自分で個別に選択する」を選ぶと、カテゴリー別のクッキーの選択画面や、個々のクッキーの利用者情報、そしてWebサイト主宰者(ここではVRGUIDE.ME)のプライバシーポリシーが画面に表示される。

 クッキーの機能としては、Necessary、Performance、Functional、Advertisingの4種類があり、これは、クッキーを利用するどのWebサイトでも共通だ。Necessaryは、ログイン維持などに使われ、クッキーを拒否した場合でも常にアクティブなもの。Performanceは、Webサイトの統計的な効果測定に使われるもの。Functionalは、ユーザー履歴に基づく機能のパーソナライズに利用されるもの。そして、Advertisingは広告パートナー向けのものである。

 総じてVRGUIDE.MEのクッキー利用に関するダイアログは明快であり、カテゴリー別のクッキーのオン/オフが一括して行え、個々のクッキーに関する情報も簡単にわかるようになっている。

プラハのVRツアーを主宰するVRGUIDE.MEのクッキー利用に関するダイアログは明快で、カテゴリー別のクッキーのオン/オフも簡単に行える。欧米では割と標準的な構成だ Photo by O.K.プラハのVRツアーを主宰するVRGUIDE.MEのクッキー利用に関するダイアログは明快で、カテゴリー別のクッキーのオン/オフも簡単に行える。欧米では割と標準的な構成だ(以下、画像はすべて筆者が撮影・作成) 拡大画像表示

 これに対して、日本のWebサイトはどうだろうか?

 もちろん、これに近い構成のダイアログを表示してユーザーに選択させるところもあるが、困るのは、単にクッキーを使用していることを告知し、ダイアログを閉じるか閲覧を続けるとクッキー利用に同意したとみなすというものだ。この場合、ユーザーに選択の余地はなく、嫌ならばページを閉じて、そのWebサイトから離脱するしかない。

 また、ユーザー設定が可能な場合でも、「同意する」ボタンを強調し、常にアクティブなクッキー以外を一括してオフできる「拒否する」ボタンがないケースも多く見られる。

日本のメディアサイトの典型的な表示。左は、ユーザーに選択の余地がなく、甘んじてクッキー利用を受け入れるか、ページを閉じるしかないダイアログの例。右は、ユーザー設定が可能だが、「同意する」ボタンが強調され、「拒否する」ボタンはない例 Photo by O.K日本のメディアサイトの典型的な表示。左は、ユーザーに選択の余地がなく、甘んじてクッキー利用を受け入れるか、ページを閉じるしかないダイアログの例。右は、ユーザー設定が可能だが、「同意する」ボタンが強調され、「拒否する」ボタンはない例 拡大画像表示