必死に努力しているつもりが結果につながらない、周りの目を気にしてばかりで自分らしくいられない、人生のどん底をどう乗り越えたらいいのかわからない……。そんな苦しみと闘っている人にぜひ読んでもらいたいのが、7月に刊行された『家族。』だ。
著者は、かつて若手人気ナンバーワンと言われた「キングコング」ボケ担当の梶原雄太。母子家庭で育ち、苦労ばかりの母親に楽をさせたくてデビュー。すぐに脚光を浴び、「はねるのトびら」で活躍するも、人気絶頂期に鬱病で失踪、復活後もひな壇バラエティが主流となったテレビでは結果を出せず、幾度もどん底を味わってきた。
そんな彼が殻を破り、人気YouTuber「カジサック」として活躍するまでの物語をまとめた本著は、梶原初の著書ということもあり、発売後即重版と大きな話題を呼んでいる。「芸人がYouTubeでやっていけるわけない」という冷たい世間の声も跳ね返し、現在は登録者200万人を超える人気YouTuberとなったカジサックは、はたしてどんな思いで言葉を紡いだのか──。
そこで今回は、本書の発売を記念して、全4回の特別インタビューを実施。この記事では、「自分に合った環境の探し方」について、とことん語ってもらった。（取材・構成／川代紗生、撮影／疋田千里）
1年かけて紡がれた、波乱万丈のエピソード
――今回出版された本では、『家族。』というタイトルの通り、カジサックさんとご家族のエピソードを中心にお話が進んでいきます。
カジサック：ぜんぶで、1年くらいかかりましたかね。ボクの半生を振り返りながら書いたので、かなり時間と熱量をかけて取り組みました。YouTubeでは語っていないような、子育てについての話、それから、ボク自身の話も届けたいなと思ったので。
――すごく読み応えがありました。女手一つで育て上げてこられたお母様と過ごした幼少期から始まり、徐々に、カジサックさんご自身の信念も浮き彫りになっていく。没入しながら、ときに感情移入しながら、最後まで一気に読み終えてしまいました。たしかに、おっしゃる通り、YouTubeのカジサックさんとはまた違う一面が描かれていましたよね。
カジサック：視聴者の皆様には、「子育てについて聞きたい」というコメントを以前から多くいただいていたんです。ありがたいことにね、ボクたちのことを「憧れの家族」と言ってくださる方もいて。
だから、本を書くのは「最初で最後」というつもりで挑戦しました。いろいろと考えながら、YouTubeで語っていない子育ての話などもたくさん盛り込んだので、楽しんでいただけたら嬉しいですね。
