通信アプリ「テレグラム」の創業者で反体制的として知られているパベル・ドゥーロフ氏は、フランスで逮捕される6年前、エマニュエル・マクロン大統領と昼食を楽しむ立場にあった。事情に詳しい関係者らによれば、マクロン氏はこれまで報じられていなかった2018年の昼食の場で、テレグラムをパリへ移転するようロシア生まれのドゥーロフ氏に呼びかけた。ドゥーロフ氏は誘いを断ったものの、マクロン氏はフランスの市民権を付与することまで言及したという。フランス当局は24日にドゥーロフ氏を逮捕し、13年にサービスが開始されたテレグラムの反権威的な精神は、これまで以上に揺らいでいる。また今回の逮捕劇は39歳のドゥーロフ氏が、各国政府と築いてきた不安定な関係も浮き彫りにした。各国は同氏を口説く一方、管理下に置くことも試みたが、多くの場合、その両方で失敗してきた。