「やればできる!」と思考が変わる話題のベストセラーが日本に上陸。31歳、一度は人生をあきらめた著者が再起できたのは、古今東西の成功者たちが持つ「6つのマインド」にあった。3000冊を超える本を読み、抽出された「プラス思考」「決断力」「切実さ」「愚直さ」「謙虚さ」「根気」を武器に、一度しかない人生、「なりたい自分」になる夢を行動に変える方法を1冊に凝縮。新刊『たった一度でもすべてをかけたことがあるか』から「やればできる」と信じられるノウハウを紹介する。
変化とは、誰かが、いつか起こしてくれるものではない
古代ギリシャの哲学者ゼノンが唱えた、「ゼノンのパラドックス」をご存じでしょうか。ギリシャ神話に登場する俊足の英雄アキレスが、のろまなカメと競走をします。カメが先にスタートし、それを追ってアキレスが走り出しますが、アキレスはいくら走っても永遠にカメに追いつけないという、なぞなぞのようなお話です。
なぜなら、アキレスが全力で走ってカメがさっき歩いていた場所まで来たときには、カメは少しだけ先に進んでいます。再びアキレスが走ってカメのいた場所に到着しても、その間にカメはまた少しだけ前進します。こうしてアキレスとカメの距離は縮まりますが、この状態が繰り返されるので、アキレスは永遠にカメに追いつけない、というのです。
追いつ追われつの状況が永遠に繰り返されるゼノンのパラドックスのように、あなたの現在はたちまち過去になっていきます。
トルストイの短編小説『3つの質問』には、次のような質問が出てきます。
「この世で一番重要なときはいつか?」
「この世で一番重要な人は誰か?」
「この世で一番重要なことは何か?」
あなたはこれらの質問にどう答えますか?イスラエルの賢者ラビ・ヒレルは、「いまやらなければ、いつやるのか」と言いました。
変化とは、誰かが、いつか起こしてくれるものではありません。変化の主人公は、まさに私たち自身です。変化は「あなたが」「いま」始めるべきものなのです。
(本記事は、『たった一度でもすべてをかけたことがあるか』から抜粋、一部編集したものです)