路上に出た人工知能(AI)は将来、どのような良心の呵責(かしゃく)を感じるのか。完全自動運転車の走行する日が近づくにつれ、AIは車道の主導権を握るだろう。自動車メーカーは、この変化によって運転の安全性が高まるとしている。アルファベットの自動運転車部門ウェイモの製品管理責任者であるデービッド・マージンズ氏は、AIに運転を任せることで、スピード違反や疲労、注意散漫、酒酔いといった交通事故を引き起こす原因の多くを排除し、問題を未然に防げると話している。一方で異なる意見もある。「自動運転車への期待値は、人間への期待値よりもはるかに高い」。サンタクララ大学総合工学部の講師で人類学者のメリッサ・セフキン氏はそう話す。同氏は人間と自動運転車の相互作用の研究で、日産自動車やウェイモと協力してきた。われわれは人間が事故を起こしたときほど、「企業に対しては寛容になれない。また多分そうすべきではない」と同氏は言う。
自動運転車に学習できるか「倫理的な選択」
AIが直面する生死に関わるジレンマ、自動車メーカーの新たな悩みの種に
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