特に日本人には「FIRE」は向いていないと個人的に考えています。日本人は基本的に勤勉でまじめな人が多いという印象を持っています。そのため早期リタイアをしても、何もすることがなくて時間を持て余してしまい、結果的に退屈な生活を後悔する人もいるようです。

 特に若い人が早くから「FIRE」を目指して、ケチケチとお金を使わずに貯めることについて、私は否定的です。これまで述べてきたように、富裕層は基本的にみな仕事熱心で、仕事を楽しんでいます。そして結果を出し、大きな財を築いているのです。

FIREを目指す若者が払う
あまりに“大きい代償”とは

 そもそも「FIRE」を目指す人の中には、いまの職場、仕事、給与に満足していない人が多いのではないでしょうか。こんなつまらない仕事をいつまでもやってられないと。現在の仕事が楽しければ、「FIRE」なんて目指さないと思います。

「FIRE」を目指すよりも、知識や経験、スキルを高めるために自分に投資すべきだと私は考えます。自分の人的資本を上げるために投資すると、自身の“稼ぐ力”が強くなります。それが一番有効的なお金の使い方であり、一生使える財産になります。