成績アップ率、驚異の95.7%を誇る、門外不出の勉強法をついに解禁! 小学生から社会人まで世代に限らず、「こんな勉強法があるなんて知らなかった!」という声が続々。なぜ、ストレスフリーになると、勉強で成果を出せるのか。そこには「一瞬で覚えられる」「10分の1の勉強時間で」という魔法のような方法はありません。最新の脳科学に裏付けられた、誰でも効果が出る『ストレスフリー勉強法』よりすぐに使えるノウハウを紹介する。

勉強で成果を出す人は「2つの機能」を使いこなしているPhoto: Adobe Stock

ストレスで頭が悪くなる理由

 私たちが日常で感じるストレスは、単に気分を害するだけでなく、脳にも甚大な影響を及ぼします。特に、新しいことを学ぼうとするとき、ストレスは大敵です。

 ハーバード・エクステンション・スクールで教鞭を執っていたマーガレット・ムーア氏(現在はクイーンズ大学教授)は、ストレスが脳の「エグゼクティブ機能」に悪影響を及ぼすと言います。エグゼクティブ機能とは、私たちが目標を立て、計画を練り、問題を解決するために使う、脳の高度な機能のことです。これには、情報を一時的に記憶しておく「ワーキングメモリ」や、集中したり注意を切り替えたりする「認知制御」などが含まれます。

 ワーキングメモリは、新しい情報を一時的に保持する能力のこと。勉強する際、非常に重要な機能です。あなたが、今まさにこの本を読んでいるときも、ワーキングメモリを使っているのです。

 人は目で追っている一文だけを読んで、意味を理解しているわけではありません。

「なんだかお腹が空いた。すぐに出かけよう」

 たった2文からなる文章にも、ワーキングメモリを使い、文脈を捉えて、意味を判断しています。

「すぐに出かけよう」という文を読んで、「ああ、この人は筋トレに行くんだな」と思う人はまずいないでしょう。前文の「お腹が空いた」という内容を、ワーキングメモリに保存したうえで読んでいるので、「この人はレストランに行くのか。はたまた食料の買い出しに行くのか」と考えるはずです。ワーキングメモリがなければ、文章を理解することはできません。

 次に、「認知制御の低下」について考えてみましょう。認知制御とは、注意力を維持する力のこと。認知制御が低下することで、勉強中に気が散りやすくなります。

 教科書を読みながら、「そういえば、今日の晩ご飯、何だろう?」などと考えてしまったり、本棚にある漫画に注意が向いてしまったりしては、勉強どころではありません。大きなストレスを抱えている状況下では、いつもより晩ご飯のことが気になるし、漫画を一気読みしたい誘惑に敗北しやすくなるわけです。

 勉強をする際、新しい情報を効率よく頭に入れ、理解する必要があります。しかし、ストレスによってワーキングメモリや認知制御が低下すると、新しい情報を記憶することや、集中して勉強することが難しくなります。これは、勉強内容をうまく処理できないことを意味し、結果的に効率が落ち、成績にも影響を与えることになるのです。

 ですから、勉強で成果を出すには、ストレスのかからない勉強法が必要なのです。

(*本記事は、『科学的アプローチで勉強がとまらなくなる ストレスフリー勉強法』より一部抜粋し、再編集したものです)