芸能人や著名な経営者にも「サウナ好き」を公言する方が増え、また身近なビジネスパーソンで、精力的に仕事をこなすトップエリートと呼ばれる男女がこぞってサウナに通っています。なぜ、仕事ができる人は、サウナにハマるのでしょうか?
サウナを初めて科学的エビデンスに基づいて解説した話題の書「医者が教えるサウナの教科書」(加藤容崇著)より、最新研究に基づいたサウナの脳と体に与える効果と、最高に「ととのう」ための入り方を、本書から抜粋して紹介していきます。

【医者が教える!】サウナがビジネスパーソンに与える「一石八鳥の効果」とは?Photo: Adobe Stock

心身をサウナでととのえると、脳と体に起こること

「ととのう」というのはサウナー用語の一つで、「サウナ後の心身ともに非常に調子がいいと感じられる状態」を言います。
その感覚は人によって表現方法も違いますが、私自身は、ととのいイス(外気浴をする時に座るイス)に座って目を瞑り、頭がスッキリしたと実感できた時に、「ととのった」と感じます。独特の浮遊感と、体の輪郭があいまいになるような感覚もあります。

リラックスはしているけれど、眠いわけではなく、むしろ清明に意識は晴れています。そしてサウナに入る前は気づかなかった匂いや、換気扇の音、着替えのときのTシャツの肌触りなど、通常は気づかないことに敏感になります。

本書に登場してもらったビジネスエリート・サウナーの方たちも、ととのった時の感覚として「究極の多幸感、ふわ~とした浮遊感とずーんとした没入感の同居」、「脳が雲のようにふわふわ浮かんでいる感じ」など、独特の浮遊感を上げる人は多いです。

実は、このサウナ直後の多幸感は副交感神経が活性化しているのに血中にアドレナリンがあるという稀有な状態で、“真正”ととのいタイムは水風呂から出て約2~3分間しかありません(P98参照)。

しかし、この直後の2~3分間が過ぎても、脳がスッキリし、体が軽くなりリセットされた感じは続きます。「ととのう」と非常に調子がよくなるため、自分がスーパーマンになったように感じられるという人もいますが、むしろ、その人が持っていた本来の能力が復活したと考えたほうがいいでしょう。つまり、「サウナでととのう」とは、直後のトリップ感だけを言うのではなく、サウナに入ることによって、心身が自動的にコンディショニングされ、その人本来の能力が復活する感覚をとらえた言葉だと思います。

心身をサウナでととのえることは、ビジネスパーソンにとっては、少なくとも「一石八鳥」くらいの効果があると私は思っています。
具体的には、
効果①脳疲労が取れて頭がスッキリする
効果②決断力と集中力がアップする
効果③アイディアやひらめきが舞い降りる
効果④感情的にならなくなる
効果⑤75%が改善を実感!睡眠をコントロールできるようになる
効果⑥感覚が敏感になる
効果⑦肩凝り・腰痛・眼精疲労がやわらぐ
効果⑧肌がきれいになり、やせやすい体質になる

これらの効果について、本書で医学的に解説しています。

*本記事は、「医者が教えるサウナの教科書」から、抜粋・編集したものです。