中国が圧倒するEVニッケル争奪戦、カギは「扱いにくい」技術インドネシアのオビ島で同国の鉱業会社ハリタ・ニッケルが運営するニッケル鉱山(2023年4月) ULET IFANSASTI FOR WSJ

 6年前、中国のエンジニアたちはゴミを宝物に変える危険な道に踏み出した。

 彼らが目を付けたのは、インドネシアの島々を覆っている膨大な量の鉱石だった。この鉱石にはニッケルやコバルトが含まれているが、低品位だったためにくず同然の扱いを受けていた。処理方法が分かれば、電気自動車(EV)用電池の材料として世界が求める鉱物の1種類だけでなく、2種類の新たな供給源の扉が開かれる。